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戦場に響く歌声(中編)

2016-01-05 17:17:49     cri    

ナビゲーター 黄競

 今年は中国人民抗日戦争および反ファシズム戦争勝利70周年に当たります。14年にわたる抗日戦争中、中国人民は民族解放のために犠牲を恐れず、勇敢に立ち上がり、血と命で多くの素晴しい歌を創作しました。これらの歌は70年の歳月を経ても、多くの人々の心に残り、中国の大地に響きわたります。中国メロディー、今回も引き続き、抗日戦争中の愛国の歌を紹介します。

 

砲煙の中の叙事詩「黄河大合唱」

 今回は声楽組曲「黄河大合唱」をご紹介します。この曲は8つの楽章からなり、中華民族の発祥地・黄河を背景に中華民族がどのような困難にも挫けず、祖国を守りぬく決意を歌いあげました。抗日戦争史において最も悲惨な1938年に誕生し、詩人・光未然が巨大な龍のような止まることなく流れる黄河を見て、詩情が沸きあがり歌詞を書き上げました。この壮大な歌詞に感動し作曲家・冼星海がわずか6日間で組曲の8つの楽章を完成させました。これは中国民族音楽史の不朽の名作と称えられています。

番組の中でお送りした曲

 今回の番組では声楽組曲「黄河大合唱」の第1楽章「黄河船夫曲(黄河船頭の歌)」、第4楽章「黄水謡(黄河の水)」、第6楽章「黄河怨(黄河の恨み)」という3つの楽章を紹介します。

1曲目~ 黄河船夫曲(黄河船頭の歌)

 第1楽章の「黄河船夫曲(黄河船頭の歌)」は黄河の船頭たちが波風と戦うシーンを再現し、力強い船歌に戦闘の力が溢れます。この楽章は中国人民の民族解放運動が困難な時期に陥いろうとも、依然として勝利の曙が見えることを象徴しています。

歌词:

 暗雲よ 天を覆う 波よ山のように高い

 冷たい風よ、顔に当たる

 仲間よ 目を大きく開き

 気をつけて怖がらないで

 高い山のような波も怖がらないで

 舟をこぐことは戦場に赴くよう、

 心を一つに合わせて前に進もう

2曲目~ 黄水謡(黄河の水)

 第4楽章「黄水謡(黄河の水)」は、メロディーが素朴で美しく、とても魅力的な歌です。3つの部分から成り、第1部分は黄河両岸の人々が豊かで和平な暮しを送る様子を描きます。第2部分は日本侵略軍が来てからの人々の悲惨な情景を描いています。第3部分は第1部分のメロディーを繰り返しますが、歌声が低く沈んで、悲しみと憤りが溢れる様子が伝わります。

歌詞:

 黄河の水が東へ、万里に流れ

 麦の苗が茂って 老若男女がみな喜ぶ

 日本軍が来て みな四方へ逃げ

 一面の寂しい光景

 妻子と離ればなれになる 離ればなれになる

3曲目~ 黄河怨(黄河の恨み)

 第6楽章「黄河怨(黄河の恨み)」は女声独唱で、極端に悲しい歌声で絶望した女性の独白を描きました。この女性は戦争によって夫と離れ離れになり、子供は侵略軍に殺され、自分も敵軍の暴行を受けた後、黄河に身を投げて、自殺してしまいます。

 また、第6楽章は独唱曲として歌手の歌唱力と芸術的表現力を試し、ソプラノ歌手のレベルを判断する試金石とも言われています。有名なソプラノ歌手・彭麗媛の泣いたり訴えたりしているような歌声は、南京が陥落した時の中国人民の悲しい泣き声を彷彿とさせます。

歌詞:

 風よ 叫ばないで

 雲よ 避けないで

 黄河よ 泣かないで

 命よ、何でこれほど苦しく

 生活よ、何でこれほど辛いのか

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