愛の果実と言えば、みなさん何を思い浮かべますか。幸せな結婚や可愛い子供でしょうか。でも、人間の愛の果実と比べ、自然の中の愛の果実はより豊富で多彩ですね。鮮やかで赤いリンゴも、可愛いサンザシも、南国の香りがいっぱいのマンゴーも、いずれも自然の中の愛の果実ですね。今日の中国メロディーは音楽の中で自然の愛の果実を探しましょう。

リンゴ～愛の象徴

　みなさんご存知のように、バラの花は愛の象徴です。でも、世界の多くの国ではリンゴが愛の象徴とされています。アダムとイブがエデンの園でリンゴを盗んで食べた後、リンゴは愛を表す果実となりました。神は一対の愛し合う男女ごとに一つのリンゴにし、人間の世界に投げていました。これらのリンゴは地上に落ちた後、二つに割れ、違う場所に落ちてしまいました。だから、人間は生涯の間ずっと紛失したほかの片割れを探すとのことです。

　一方、中国ではリンゴは平安と幸せの象徴とされ、結婚式などのおめでたい日や祝日に欠かせないものです。これらのおめでたい日は、リンゴを食べなくても果物盛り皿に置いて、華やかな雰囲気をかもし出します。

ザクロ～子孫繁栄のシンボル

　広大な自然の中に四季折々の果実や花がいっぱい！みなさんもお好きな果物や果実がきっとあるでしょう。では、ある果実に関するなぞなぞを当ててみてください。

　黄色い瓶、口が小さくて、瓶の口を壊すと、赤いメノウが出てきた。これは何の果物でしょう？そうです。ザクロです。ザクロは昔から縁起の良い果実と見られ、中国人はザクロに対して特別な感情を抱いています。その燃える炎のような赤い花びらは夏の心と呼ばれ、熱烈と活力を象徴します。このメノウのような種が多い果実は子孫繁栄、豊穣のシンボルとされます。結婚式の時、ザクロは新郎新婦の部屋の机に置かれます。いくつかのザクロを切った状態で置き、その露出したザクロの実は子孫繁栄を象徴すると言われています。

サンザシ～純愛のシンボル

　サンザシは中国北方地方原産の植物で、毎年秋に実をつけます。そのサクランボに似ている赤い果実は酸っぱくて美味しいです。そんなサンザシは飴やお菓子、ジュースなどさまざまな美味しい食べ物になり、北方の人々の大好物です。

　また、サンザシに関わる唄や映画も多くあります。例えば、世界の名匠チャン・イーモウが監督を務めた美しくも切ない純愛ストーリー「サンザシの樹の下で」という映画は大変人気があります。それは、文化大革命の時、村で出会った都会育ちの女子高生と、明るく誠実なエリート青年との美しくも悲しい純愛物語。

マンゴーの味～愛情の味

　毎年６、７月頃中国の雲南省や広東省などの熱帯地方はマンゴーが熟す季節を迎えます。あちこちに漂うマンゴーの甘くて美味しい香りと枝もたわわに実っている金色の果実は人々に南国独特の息吹を感じさせます。

　マンゴーは栄養豊富で美味しいことで熱帯果物の王様と呼ばれ、その甘くて酸っぱい味は本当に味わいが尽きず、まさに愛情の味と言えるでしょう。

番組の中でお送りした曲

1曲目～　小苹果（小さなリンゴ）

　この唄は中国全土で大ヒットし、歌手は「筷子兄弟（チョップスティックス・ブラザーズ）という男性ユニットです。

歌詞：

僕が蒔いた種

やっと実がなった

今日はグレートな一日だ

星を摘み取って君に贈る

月をむしり取って君に贈る

太陽も毎日君のために昇るから

僕はキャンドルになって自分を燃やす

君を照らすために

僕のすべてを君に捧げる

君が嬉しければ

君のおかげで

僕にも明日がある

短い命で永遠の愛を誓う

絶対君を離れない

2曲目～　摘石榴（ザクロを摘む）

　この民謡は男女のデュエットで、安徽省と浙江省で広く歌われているラブソングです。若い男女が自由な恋愛を求める心境を描きました。

歌詞：

女：乙女が庭でザクロを摘んでいると

庭の塀の外から

誰かがレンガのかけらを投げてきた

それがちょうど私の頭にあたった

ザクロを食べたかったら、摘みに行ってください

私と喋りたかったら、部屋に行きましょう

どうして私にレンガを投げるの

男：僕は石榴を食べたくない

　　君の家にも行かない

　　部屋になんて入れるわけがない

　　レンガを投げるのは

　　貴方とデートがしたいから

3曲目～　山楂花（サンザシの花）

　この曲は映画「サンザシの樹の下」の挿入歌です。曲は男性の主人公が重病を患った後、ヒロインに別れを告げる悲しい心境を歌い上げています。

歌詞：

サンザシの樹一面に花が咲き

貴方の恥らう顔に落ちていった

サンザシの樹一面に花が咲き

僕は貴方の答えをずっと待っていた

でも、僕は先に行かなければならない

愛しい人よ、泣かないで

元気でいてくれ

時間の果てで

僕は唄を歌いながら貴方を待っているから

4曲目～　芒果香（マンゴーの香り）

　唄は人気歌手・刀郎（ダウ・ラン）が歌ったものです。マンゴーの故郷である華坪、そして華坪の娘への愛を歌いあげています。

歌詞：

美しい華坪にマンゴーの香りが漂い

私はうっとりするような香りを探す

マンゴーの故郷の娘よ

心が優しい娘よ

青々とした山脈

清らかな小川

私は旅の途中　愛情と夢を求め

君のために唄を歌う