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「山房春事」岑参

2017-03-23 13:24:01     cri    


 今日、3月8日は国際婦人デー。中国では女性は半日休みの日です。ただ、実際は、半日休みを取れない職場もあったり、中には女性のみ健康診断を受けさせてくれる職場もあったりと、過ごし方は様々です。私は外国人専門家局の招待で、人民大会堂へ行き、ティーパーティーを楽しみました。女性の集まりに相応しくジャスミン茶とお茶菓子の取り合わせ。世界各国の女性専門家がいて華やかで賑やかでした。外に出ると、北京の街の景色もだいぶ春めいてきました。枯れ枝のようだった木々は遠くから眺めると、ライムグリーンのもやに覆われているように見えます。芽吹きが始まっているのでしょう。公園に行けば、早くも黄色い迎春花が咲き始めています。まだ、満開とは、いきませんがこの花を見ると北京の春を確信します。いつもの年ならこの迎春花が咲き出すのは、3月下旬。今年は、いつになく春の訪れが早いように感じます。そういえば、私たちの放送局の庭の桜も、もう蕾をつけています。さて、今日は岑参の「山房春事」を紹介します。

 作者、岑参は盛唐の詩人。湖北省の人。湖南省出身と言う説もあります。進士に及第した後、西北辺境地域の役人にもなったので、辺境の風物を詩にするのを得意としました。同じく辺境の詩を得意とした高適と並び称されますが、官を辞して故郷に帰る途中で成都にとどまり、その地で56年の生涯を閉じます。タイトルの「山房春事」の「山房」は、山の中の庵のこと。「梁園」は若いころ勉学に励んでいた現在の河南省嵩山の家の庭のことだと思われます。本来、「梁園」と言うと、漢の時代の梁の孝王の庭園が有名です。この庭園は、華やかに文人墨客が集った場所でもあります。「極目」は見渡す限り、遥か遠くまでと言う意味で、「蕭条」はものさびしい、生気の無い様子を言います。この他は、比較的分かりやすい単語が並んでいます。 冒頭で華やかな「梁園」という場所をだし、読み進むうちに正反対の寂しい雰囲気 の映像が目に浮かびます。それでも、最後に「春」「花」という単語があって、ほっと 希望を感じさせてくれます。「東風吹かば匂い起こせよ梅の花、主無しとて春な忘れそ」という菅原道真の歌を思い出したのは、私だけではないと思います。

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