四字熟語には数千年、数百年と、長く使われてきたものが多いです。これらを理解すると、中国人の価値観や伝統、文化などを知ることができると思います。
さて、2月に入りましたが、2月と言いますと、バレンタインデーがありますね。中国語では「情人節」と呼びます。日本のように女性が男性にチョコレートを贈る日ではなく、恋人たちの日といった感じです。男性が女性にバラの花を贈っているのをよく見かけます。実際の北京の2月は、まだまだ厳寒が続く真冬ですが、旧正月が過ぎて、続いてバレンタインデーがやってくるので、冬なのになんかわくわくします。そんなバレンタインデーにあわせて、今日は、恋や結婚に関する中国の四字熟語を特集してお届けします。
日本語にもあるもの、中国特有のものなどがあります。先ず、ご紹介するのは、恋心が芽生える時の少年少女を形容する言葉です。「情竇初開(じょうとうしょかい)」です。
感情をつかさどる穴が、生まれてから初めて開いたので、恋という感情を味わえるようになった、という考え方です。なかなか面白いですよね。漢方医学では、人体にはたくさんの穴、つまりツボがあると考えられています。ツボが通じた、人間の身体は痛みがないのはもちろん、健康を維持できます。小さい時はまだ、恋愛をつかさどるツボが開いていないので、恋心が芽生えません。いざこのツボが開くと、誰かと恋に落ちるわけですね。
では、恋のツボが開いたところで次に行きましょう。異性を意識するようになると 「一目ぼれ」もありますが、「一見鐘情(いっけんしょうじょう)」と言います。
実際の一目ぼれの恋は、片思いが多いんじゃないでしょうか。そもそも、一目ぼれをされる方の人は、ルックスがいい場合が多いように思います。つまり一目ぼれって性格とか価値観とか他の要素が一時的に見えてないことが多いんじゃないでしょうか。
確かに結婚にいたるまでは、色々な現実的な要素、ルックスや価値観の他に家族構成とか収入とかいろいろな要素が絡み合ってきますからね。実は、よく考えると、一目ぼれが起こる原因は、相手のルックスが好きだったり、相手の匂いが好きだったりが多いそうです。ルックスや匂いって、遺伝子が起因していると思うので、一目ぼれって、人間の本能に近いところで選んでいると言うことでしょうね。
一目ぼれから結婚した場合の離婚率がなんとわずか10%足らずということだそうです。やはり、第一印象、直感が一番大切でってことでしょうか。こう考えると、本能で見分ける相手に出会えたと言うことになるので、一目ぼれ結婚って、理想のカタチですね。
出会って瞬間に、ドキッとする気持ち、とても素敵ですね。では、次に行きましょう。「才子佳人(さいしかじん)」です。才能がある男性と美しい女性、理想的なカップルを形容する言葉ですね。
「才子」は優れた才能を持つ男性です。「佳人」は美しい女性です。この言葉から見ても、女性が男性に求めるのが、才能、そして、男性が女性に求めるのが、美貌だということが分かりますね。
昔から、中国でも日本でも「男は外、女は内」という性別の役割分担が根強く残っていることの表れでしょうか。男性は外で働いているので、外見よりは、その才能がわりと重視されています。一方、美しい女性は、男子主導の社会では、男性の見栄と言うか、自慢の1つになるんでしょうね。
私は小さい時、外見よりは美しい心が一番、重要だよって教育されてきましたが、やっぱり色々社会で体験してみて、女性にとっては、やっぱり顔が一番大事だという現実を受け入れなければならないと思います。内面的な美しさなんかは、所詮、二流、三流の女性が自分を騙すいいわけだと思います。
まあ、「才子佳人」人生の一種の目標みたいなものですね。頑張れば、いつか手に入れるかもしれません。中国では昔、科挙試験を通じて、普通の庶民でも出世できるという道がありました。無数の人が一生懸命本を読みました。「本の中には絶世の美人がいる」、つまり、読書をして出世すれば、もちろん、美人を手に入れられるというのも、知識人たちのやる気を支える信念の一つでした。
次の言葉は、「いつまでも愛しているよ」と、愛の誓いを交わす言葉、「海誓山盟(かいせいさんめい)」です。非常に堅い約束、永遠に変わらない男女の愛のことを表す四字熟語です。
「誓」、「盟」はどちらも誓い、約束の意味です。我々二人の愛は、海や山がいつもまでも存在するのと同じように、永久に変わらないという誓いになります。日本なら海よりも深く、山よりも高くと言ったところでしょうか。
これまでは、恋愛に関する中国の四字熟語、「情竇初開」から、「一目鐘情」、「才子佳人」、「海誓山盟」まで4つご紹介しました。続いては、結婚に関する四字熟語を3つご紹介します。
結婚に関する四字熟語は、結婚式のスピーチで使われるし、結婚のご祝儀を入れる袋に、中国ではいつもお祝いの言葉を書きます。その言葉によく四字熟語を使います。
たとえば、日本語では、「相思相愛」という言葉がありますね。中国語の言い方は、二番目の字が違いまして、思想の思の変わりに、親しいと書きます。"相親相愛"と言います。日本語の相思相愛と同じ、男女が互いに愛し合う意味です。
それから、中国特有なのかもしれませんが、昔から、「夫唱婦随」が提唱されます。夫のいうことに妻が従うという意味です。
これもやはり男子主導の社会の伝統ですね。今は何で彼の話にしたがわなければ行けないの?って不満に思う女性が大勢いるかもしれません。やはり家庭では夫でもいいし、妻でもいいから、どちらかがリードして、二人が同じ意見、同じ行動を取ったほうが、夫婦和合の道ではないでしょうか?現代なら男性リードの夫唱婦随ではなくても、女性リードの婦唱夫随でもいいですね。
夫婦仲が良くて、一緒に年を取って行く、というのが、我々普通の人間の幸せですからね。中国語には「白頭偕老」といいます。白髪になり、老いていくまでずっと一緒にいるという意味です。
中国では、髪の毛"青絲"は恋人への思い"情絲"と同じ発音ですので、結婚式の夜に、男性の髪と女性の髪を結ぶ風習がありました。なので、新婚の時、黒くて美しかった二人の髪の毛が、白髪になるまでずっと一緒に生きていくというのが、特別な意義があると思います。日本でよく使われる、「偕老同穴」と同じような感じです。
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