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「看護の心に国境はない」と感じた瞬間
   2008-02-18 11:12:46    cri

 中国の広西省宜州市に看護師隊員として赴任し、4ヶ月が経過しました。長いようで、あっという間の4ヶ月。南方の暑い中国の生活、食べ物、医療に少しずつ慣れたと実感してきました。宜州の人々は、私が日本人だと知るとすぐに、まるで中国人のようだというぐらい外見は馴染んできていて、夕食後は、職場の先輩と踊りに行ったり、二胡を習ったりして、どんどん中国文化に染まってきていると感じています。

 さて、私の職場は、「外3科」という脳外科、泌尿器科、皮膚科の混合病棟で、重症患者さんが多く、皆忙しく働いています。外3科に転科して、まだ1ヶ月足らずですが、ある日、下痢のため臀部の皮膚がただれている患者さんがいたため「日本ではどういう看護をしていたの?」と婦長に聞かれ、日本で自分たちがやっていた皮膚ケアを紙に図を書いて説明した。やってみていいよと言われ、観察にいくと、カンジダ感染していると思われ、婦長に相談しました。日本の病院で脳外科勤務だった時、胃管からの栄養開始すると、下痢を繰り返して同じような皮膚になる患者さんをたくさん見てきたので、すぐにわかったのです。そして日本で使っていた2種類の薬があるか相談してみましたが、カンジダに関してははっきりした答えがなく、もう一つについては病院にないと言われてしまいました。結局、薬はなく、微温湯で刺激を与えないように洗い、薬がないので患者さんの手持ちの植物の薬をつけて終了しました。

 これでよくなるのか不安だらけだったとき、「シンイエー(星野の中国語読み)」と呼ぶ声がしました。カンジダの薬が処方されていたようで、私の名前が呼ばれたのです。よかったと安心したところへ、なんと患者さんの家族が薬局で私の聞いていた薬を買ってきてくれました。「これでいいのかな?」と心配してくれる同僚。しかし、日本で使っていたのと少し形状が違う。不安はあるものの「日本と全く同じ条件でできるわけがない。そうだやるしかない」そう感じました。そして、他の看護師と一緒に中国に来て初めてのケア。お尻を洗い、押さえるようにそっとふき取ります。そして病棟で愛用されているマイクロ波の器械がやってきました。詳しく説明してくれる看護師。その後、2人で協力しあい患者さんに薬を塗っていきます。1つはカンジダの薬、もう1つは、下痢便から皮膚を守るための保護の役割をするもの。だからすこし厚めに塗っていくんだよと私が話します。初めてのケアが終わった後、2人に「やった!」という満足感が生まれました。1人の患者さんに対して中日の看護師が共に考え、共にケアしていきます。そして「明日よくなっているといいね」という患者さんに対して祈る気持ちを持つことができました。私は当たり前のようであるが、ここに来て初めて看護が目指すものは「患者の回復」という同じ目標だということを肌で感じました。「そうだ、看護の心には国境なんてないのだ」と感じることができた瞬間でありました。翌日、翌々日、日に日に皮膚は改善傾向にありました。家族も「好多了!」と言ってくれた。本当に、うれしかったです。

 こうやって下手な中国語しか話せない私が中国で看護する喜びを感じることができるという事は、病棟スタッフ、看護部の方々の支えのおかげです。看護が楽しくなると、毎日の生活も楽しくなるというものである。私の楽しそうな様子に看護部の皆様方も一緒になって喜んでくれることが、また頑張ろうという思いへつながっています。今後も周囲の方々への感謝の気持ちを忘れずに、共に笑い、時には涙を流して、残りの宜州での生活を楽しんでいけたらと思っています。

  河池市第一人民病院  星野 美帆

18年度3次隊 看護師

出所:人民網日本語版

参考文章:http://www.people.ne.jp/Volunteer.aspx

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