中日仏英が準地球規模の地表太陽放射量高精度監視システムを共同構築
07:36:36 2025-04-01
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複数衛星ネットワークによる地表太陽放射観測(GSNO)システムの成果図

 中国科学院宇宙情報創新研究院は3月31日、同研究院リモートセンシング・デジタル地球重点実験室が国家衛星気象センターや日本の東海大学、東京大学、千葉大学、仏リール大学、英気象庁などの国際合同チームと共に、最新世代の静止気象衛星群を統合運用する準地球規模の地表太陽放射量観測システム(GSNO)を開発し、準地球規模で地表太陽放射の時間的・空間的解像度の最高検出能力を達成し、検出精度も向上させたと発表しました。同成果は国際学術誌「イノベーション」に掲載されました。

 地表太陽放射とは、地球表面が受ける紫外線・可視光線・赤外線などさまざまな波長の電磁放射の総称です。これは生物の生命活動を支える根本的なエネルギー源として機能し、気候変動や農業生産、太陽エネルギーの利用などに直接影響を及ぼす重要な環境要素でもあります‌。

 衛星リモートセンシング技術は、データの継続性が高く、広範囲をカバーするメリットを有し、地表太陽放射量の変動を監視する最も効果的な手段の一つです‌。同技術は地球表面に「太陽光スキャナー」を設置するのと同様で、地表の太陽放射変化を精密に計測し、クリーンエネルギー活用‌や農業収量予測、気候変動への対応、人体の健康管理‌などに精密なデータ基盤を提供します‌。

 研究チームは中国の風雲4号衛星、日本のひまわり8号衛星、欧州第2世代気象衛星、米国の地球静止環境業務衛星などの国際的な最新世代の地球静止衛星を統合的に運用する技術の融合を実現しました。

 GSNOシステムは現在、空間分解能5キロメートル、1時間間隔の観測頻度で準地球規模の地表太陽放射データを取得することができます。これにより局地的な気象災害のモニタリングや太陽光発電所の立地評価などに高精度な支援を提供できると共に、時間的・空間的解像度の高い地球システムモデルにデータ駆動力を提供します。(HJ、榊原)

4月3日ニュース

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