科学調査団 中国最大のタクラマカン砂漠周囲のグリーン防砂帯を視察
2024年11月に新疆于田県のタクラマカン砂漠で完成直前のグリーン防砂帯
中国北西部の新疆林業科学院や中国科学院新疆生態・地理研究所などからなる科学調査団はこのほど、タクラマカン砂漠を囲む全長3046キロの「グリーン防砂帯」建設計画の現地視察を実施しました。
調査団は16日間かけて砂漠の縁辺部に沿って踏査し、新疆ウイグル自治区若羌(チャルクリク)県のプロジェクト区間で、工学的な防砂技術や太陽光発電を活用した防砂手法などの実用状況を詳細に記録・分析し、より効果的で持続可能な技術システムの構築に向けた一次データを収集しました。
新疆林業科学院資源情報所の張絵芳研究員は、「プロジェクトで運用されている多様な防砂技術と自然・社会環境要因を総合的に調査し、防砂効果の評価を提供し、今後の事業推進に役立てたい」と説明しました。
調査団はまた、洪水誘導灌漑プロジェクトの実施状況を実地調査しました。砂の移動を防ぐ「草方格」という砂防工法の敷設方法について、調査員は引き続き適切な間隔を模索しなければならないと考えています。設置間隔に関して、中国科学院新疆生態・地理研究所の高鑫研究員は、「『草方格』は間隔を空けて敷くべきで、科学的根拠に基づいた最適な間隔設計がコスト抑制と防砂効果の最大化につながる」との見方を示しました。
タクラマカン砂漠は中国最大の移動砂漠で、世界でも2番目の規模です。その強い流動性は周辺の生態環境に悪影響を与えています。昨年11月28日、同自治区于田(ケリヤ)県にある砂漠縁辺部の最後の空白地帯にバラの苗木を植栽したことで、砂漠周囲を取り巻く全長3046キロに及ぶグリーン防砂帯が完成しました。今後は科学的計画に基づく持続的な砂漠化対策が推進される予定です。(HJ、榊原)
4月3日ニュース
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