中国本土映画興行週間ランキング(2025.2.17-2025.2.23)
週間ランキングはほぼ前週のまま。世界を席巻中の中国アニメ映画『哪吒之魔童閙海(Ne Zha 2/ナタ2)』は、公開わずか21日で約2545億円相当の興行成績を上げ、アニメ映画として世界No.1に輝いています。日本公開が決まったら、ぜひご覧ください!一方、昨年6月の上海国際映画祭のコンペティション部門に当たる「金爵奨」で最優秀長編アニメ賞を受賞した日本のアニメ映画『きみの色(中国題:你的顔色)』が、中国本土で一般公開スタート。初登場9位でした。
単位:万元~作品紹介~
【1位】哪吒之魔童閙海(Ne Zha 2)
公開日:2025年1月29日
監督:餃子(ジャオズ)
主演(吹替):呂艶婷(ルー・シエンティン)囧森瑟夫(ジョセフ)瀚墨(ハン・モー)
アニメ映画『哪吒之魔童閙海(Ne Zha 2)』旋風はまだまだ世界各地を席巻中!本シリーズは『西遊記』や『封神演義』などの神怪小説に登場する反逆児=哪吒(ナタ)を主人公に描くCGファンタジー大作で、シリーズ通して、短編アニメ映画『打,打個大西瓜(See Through)』などで知られる若手アニメ監督の餃子(ジャオズ)が手掛けています。哪吒は托塔天王(李靖)の三男として知られる少年戦神で、中国では誰もが知る人気キャラクターですが、本シリーズでは哪吒の物語を、現代社会の価値観を融合させて大胆に脚色し、幅広い世代の共感を呼び起こすストーリーに仕上げています。前作で描かれた天地を覆す大災難「天劫」の後の世界を舞台に、太乙真人(『封神演義』にも登場する仙人)によって肉体を蘇生された哪吒と敖丙(東海竜王・敖光の息子)の新しい運命を描いています。
【2位】唐探1900(Detective Chinatown 1900)
公開日:2025年1月29日
監督:陳思誠(チェン・シーチェン)戴墨(ダイ・モー)
主演:王宝強(ワン・バオチャン)劉昊然(リウ・ハオラン)周潤發(チョウ・ユンファ)白客(ホワイト・ケイ)
映画×ドラマの作品群で構成される「唐人街探案(唐人街探偵)」ユニバースの待望の最新作『唐探1900(Detective Chinatown 1900)』が4週連続で2位を獲得!このシリーズは、世界中のチャイナタウン(=唐人街)を舞台に、劉昊然(リウ・ハオラン)演じる天才青年と、王宝強(ワン・バオチャン)演じる叔父という「ぎこちない」探偵コンビが事件を次々と解決していくもので、過去には妻夫木聡や長澤まさみが出演した『唐人街探偵 東京MISSION』をはじめとするシリーズ作品が日本で公開されています。第4弾となる本作は、1900年の米サンフランシスコのチャイナタウンを舞台に描かれる、シリーズの前日譚にあたる物語です。
【3位】熊出没·重啓未来(Boonie Bears:Future Reborn)
公開日:2025年1月29日
監督:林永長(リン・ヨンチャン)
主演(吹替):譚笑(タン・シャオ)張秉君(ジャン・ビンジュン)張偉(ジャン・ウェイ)
春節アニメの定番、「熊出没」シリーズの11作目『熊出没·重啓未来(Boonie Bears:Future Reborn)』がトップ3をキープ。中国東北部の山林地帯に住むクマの兄弟「熊大」と「熊二」、それに坊主頭の木こり「光頭強」とのかけがえのない日々を描くこのシリーズは、2012年にテレビアニメとしてスタートし、親子連れで楽しめる作品として人気を博しました。以降、2015年から年に1本のペースで劇場アニメ化していますが、2017年からは毎年の春節映画として上映されることが定着しました。本作では、100年後の未来へタイムトラベルした2頭と1人の冒険が描かれます。
【4位】封神第二部:戦火西岐(封神:戦火西岐)
公開日:2025年1月29日
監督:烏爾善(ウー・アルシャン)
主演:黄渤(ホァン・ボー)于適(ユイ・シー)那爾那茜(ナルナシ)費翔(クリス・フィリップス)娜然(ナー・ラン)呉興国(ウー・シングオ)陳牧馳(チェン・ムーチー)夏雨(シャー・ユイ)
時代劇ファンタジー「封神」シリーズの第2弾『封神第二部:戦火西岐』がトップ5をキープ!『封神演義』は『西遊記』などと同様、中国で有名な伝奇小説の一つで、これまで何度も映像化されてきました。小説は殷代末期の殷周革命の動乱を舞台に、仙人や道士、妖怪が人界と仙界を二分して大戦争を繰り広げるという物語で、「封神(ほうしん)」とは、殷周革命で死んだ365人を「神」として「封(ほう)」じる儀式を指します。本作では、主人公・姜子牙と姫発が率いる西岐軍が自国を守るために、紂王と死闘を展開するエピソードを描いています。日本では、シリーズ第1弾は『封神・妖姫とキングダムの動乱/封神~嵐のキングダム~』という日本題で今年2月28日から、第2弾は『封神・激闘!燃える西岐攻防戦』という日本題で3月7日から一般公開される予定です。
【5位】您的声音(Hotline Beijing)
公開日:2025年2月18日
監督:徐潔勤(シュー・ジエチン)
北京の「市民相談への即時対応」サービスに関するドキュメンタリー映画『您的声音(Hotline Beijing)』が5位に初登場。本作は、世界のメガシティーにおけるガバナンスに関する共通の課題に焦点を当て、駐車管理や、古いマンションでのエレベーターの追加設置、オペレーターの応対品質の向上、緊急時の対応措置など7つのエピソードからなっています。
【6位】キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(中国題:美国隊長4)
公開日:2025年2月14日
監督:ジュリアス・オナー
主演:アンソニー・マッキー ダニー・ラミレス シーラ・ハース カール・ランブリー ジャンカルロ・エスポジート ティム・ブレイク・ネルソン リヴ・タイラー ハリソン・フォード
マーベル・コミックのスーパーヒーロー「キャプテン・アメリカ」を中心とした映画シリーズの第4弾『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(中国題:美国隊長4)』が2月14日から中日米で同時公開中。本作はマーベル・コミックのキャラクターをベースにしたメディア・フランチャイズ&シェアード・ユニバース「マーベル・シネマティック・ユニバース」(MCU)の34作目の作品で、フラッグ・スマッシャーズとの戦いを通して「キャプテン・アメリカ」を正式に襲名したファルコンことサム・ウィルソンが、新たな陰謀と脅威に立ち向かいます。ストーリーに合わせて、主役のキャプテン・アメリカ役はクリス・エヴァンスに代わりアンソニー・マッキーが務めています。
【7位】花様年華
公開日:2025年2月14日
監督:王家衛(ウォン・カーウァイ)
主演:梁朝偉(トニー・レオン)張曼玉(マギー・チャン)
米映画業界誌『ヴァライエティ』の「映画オールタイムベスト100」(2022年時点)にも選ばれた王家衛(ウォン・カーウァイ)監督の2000年の名作『花様年華』が、公開25周年を記念して中国本土でリバイバル上映を実施中。1960年代の香港を舞台に、梁朝偉(トニー・レオン)と張曼玉(マギー・チャン)演じる既婚者同士の切ない恋を描いたこの作品は、モントリオール映画祭最優秀作品賞やカンヌ国際映画祭男優賞をはじめ数多くの映画賞を受賞しているほか、日本では2001年3月に劇場公開され、2022年には4Kレストア版も上映されました。今回、中国本土で再上映されたのは、世界初公開の25周年ディレクターズカットエディションで、これまでで最長のバージョンでもあります。また、一般スクリーンのほか、IMAX、中国巨幕、CINITY、ドルビーシネマといった4フォーマットでの同時上映により、25年前の名作がより精細な映像でよみがえりました。
【8位】射鵰英雄伝:侠之大者(The Legend of the Condor Heroes: The Great Hero)
公開日:2025年1月29日
監督:徐克(ツイ・ハーク)
出演:肖戦(シャオ・ジャン)荘達菲(ジュアン・ダーフェイ)
香港を代表する巨匠の徐克(ツイ・ハーク)監督による時代劇アクション『射鵰英雄伝』がトップ10をキープ。『射鵰英雄伝』は中華圏で誰もが知る人気小説家・金庸の武俠小説の代表作で、13世紀初頭、南宋と金が対峙し、北方で蒙古族が台頭しつつある時代を背景に、若者の郭靖が恋人の黄蓉と共に旅をして江湖の荒波に揉まれながら人間的に成長していく姿を描く内容となっています。今回の映画は、小説の第34~40章を中心に、最高の武術「九陰真経」「降龍十八掌」を身につけた郭靖が黄蓉と共に、切迫する情勢の中で自らの運命を切り開く物語を描いています。
【9位】きみの色(中国題:你的顔色)
公開日:2025年2月21日
監督:山田尚子
主演(吹替):鈴川紗由 髙石あかり 木戸大聖 やす子 悠木碧 寿美菜子 戸田恵子 新垣結衣
昨年6月の上海国際映画祭のコンペティション部門に当たる「金爵奨」で最優秀長編アニメ賞を受賞し、8月30日に日本で一般公開された日本のアニメ映画『きみの色(中国題:你的顔色)』が、2月21日に中国本土で一般公開スタート。本作は『映画 「聲の形」』『リズと青い鳥』などの山田尚子が監督を務めた長編アニメで、幼いころから「人が色として見える」という高校生のトツ子が、古書店で出会った美しい色を持つ美少女と、音楽好きの少年と3人でバンドを組んでからの日々が描かれます。中国でも大人気の新垣結衣が声優を務めていることも話題に。
【10位】詭才之道(Dead Talents Society)
公開日:2025年2月22日
監督:徐漢強(ジョン・スー)
主演:陳柏霖(チェン・ボーリン)張榕容(チャン・ロンロン)王淨(ワン・ジン)姚以緹(ヤオ・イーティ)百白(バイバイ=白靜宜)瘦瘦(Soso=曾威豪)
昨年6月28日に台北映画祭でシークレット作品として上映され、チケットが即完売した話題作『詭才之道(Dead Talents Society)』が、中国本土で一般公開スタート。本作は『返校 言葉が消えた日(原題:返校)』などの徐漢強(ジョン・スー)監督が5年ぶりにメガホンを取る新作で、幽霊の世界を題材にした斬新なホラーコメディです。心霊スポットとなっているホテルの414号室を舞台に、張榕容(チャン・ロンロン)演じる時代遅れの元幽霊クイーンと、陳柏霖(チェン・ボーリン)演じるそのマネージャーが、あらたな都市伝説を作るために新人ゴーストの育成に奔走する物語です。
(ミン・イヒョウ、梅田謙)
3月21日ニュース
00:00 /