中国の科学者 高温超伝導分野で重大なブレークスルーを達成
07:09:18 2025-02-19
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 中国国家最高科学技術賞を受賞した薛其坤院士(中国アカデミー会員)が率いる南方科技大学、広東・香港・マカオグレーターベイエリア量子科学センター、清華大学の共同研究チームは、常圧下でのニッケル酸化物の高温超伝導性を発見し、この成果を18日、国際学術誌「ネイチャー」にオンラインで発表しました。科学者らの研究成果は、高温超伝導メカニズムの科学的難題を解決するための新たな突破口を提供しました。

 超伝導は、電力ハイウエー上の「ゼロエネルギー消耗のスポーツカー」と称され、電流が通過する際に全く損失がないため、将来性のある革命的技術と広く認識されています。1911年に超伝導現象が発見されて以来、常圧下で40K(セ氏マイナス233度)「マクミラン限界」を超えるより高温の超伝導材料を探すことが、国際科学界の重要な研究方向となっていました。今回の研究で、中国の科学者らは3年間にわたる継続的な取り組みを通じて、独自に「強酸化原子層逐次エピタキシー」技術を開発しました。この技術は、従来の方法より酸化能力が数万倍強い条件下でも、原子層の逐次成長を実現し、化学的な組成比を正確に制御することができ、ナノスケールで「原子層の積み木」を組み立てるように、構造が複雑で熱力学的に準安定でありながら、結晶品質がほぼ完璧な酸化物薄膜を構築することができます。

 この研究成果は、常圧環境下でニッケル酸化物材料の高温超伝導性を実現し、ニッケル系材料は銅系、鉄系に続く、第3の常圧下で40K「マクミラン限界」を突破した高温超伝導材料システムとなりました。この発見は、高温超伝導メカニズムの研究に新たな考え方と方向性を提供するだけでなく、将来の超伝導技術が送電、磁気浮上式交通など多くのハイテク分野での応用により堅固な基盤を築くことにもなりました。(藍、榊原)

4月11日ニュース

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