巳年の春節 無形文化遺産テーマの「文化観光」が大人気
ユネスコ(国連教育科学文化機関)政府間委員会により中国の伝統的な祝日「春節(旧正月)」が無形文化遺産に登録された後、初の春節連休を迎える中国では、無形文化遺産をテーマとした「文化観光」が大人気となっています。中でも、無形文化遺産の民俗文化や工芸などの体験イベントは大きなブームとなり、関連の観光地は多くの観光客でにぎわっています。
データによると、ネットでは「無形文化遺産」のキーワード検索数は前年比で174%増加し、「無形文化遺産工芸品」の検索数は同321%増加したとのことです。「無形文化遺産をテーマとした年越し」がブームになるとともに、中国の多くの景勝地やテーマパーク、ホテルも無形文化遺産の要素をアピールしています。
美団旅行(中国大手フードデリバリーアプリ「美団」傘下の観光サービス)のデータによると、国家級無形文化遺産に指定された「火壺ショー」の検索数は前年比531%増、「自貢灯籠祭り」の検索数は同249%増、「鳳翔木版年画」の検索数は同80%増で、無形文化遺産体験ブームにより、福建省、雲南省、陝西省などでは文化観光の予約が急増しています。大理の絞り染め、敦煌の壁画、鳳翔の木版年画、中国独自のラテ・アートともいえる武夷山の「茶百戯」、黄山歙県の伝統的な魚灯籠、ハルビンの「無形文化遺産東北料理」、自貢の灯籠、新疆カシュガルの陶芸、河南の地方劇「豫劇」、膠東半島の花餑餑(蒸しパン)は、今年の春節観光のトップ10キーワードです。
国家無形文化遺産「火壺ショー」
少数民族地区で春節を過ごすことも人気を呼んでいます。少数民族地区で最も人気のある観光地はシーサンパンナ(西双版納)、延辺、涼山など。データによると、少数民族が多く居住する雲南省では、春節期間中の観光予約は112%以上増えたということです。観光大手の衆信旅遊集団のメディア・広報マネージャーである李夢然氏によると、雲南、貴州、四川、広東は春節の人気観光地となり、「少数民族地区で春節を過ごす」ほか、打糍粑(餅つき)や長卓宴(長テーブルの宴会)など少数民族文化体験コースもより多くの観光客を魅了しているとのことです。(ミン・イヒョウ、榊原)
4月11日ニュース
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