【北京冬季五輪 街角だより】市民合唱団「奥運之家」

2022-01-28 16:23  CRI

 第24回オリンピック冬季競技大会は2022年2月4日から20日まで、第13回パラリンピック冬季競技大会は3月4日から13日までの日程で、北京市と河北省張家口市の3つのエリアを舞台に開催されます。このコーナーでは、冬季オリンピックとパラリンピックを迎える街で暮らす人々にフォーカスします。

冬季オリンピックの成功を祈り歌い続ける

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1月9日、オリンピックソングの公開収録の様子

 冬季オリンピックの開幕を間近に控えた週末の北京、市民合唱団による歌の公開収録が行われていました。ピアノの前奏に続いて、会場に響き渡ったのは

 「Αρχαίο Πνεύμα αθάνατο, αγνέ πατέρα

  (大空と大地に清気あふれて 不滅の栄光に輝く)……」

 というギリシャ語による神々しい歌声でした。

 曲はオリンピック大会の開閉会式などで必ず演奏される「オリンピック賛歌」で、歌ったのはオリンピックソングを専門に歌う「奥運之家(オリンピック・コミュニティ)」合唱団です。

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1月9日、オリンピックソングの公開収録の様子

 看護士、公務員、テレビ局のプロデューサー、通信技術者、音楽教師……これが団員たちの素顔ですが、もう一つの共通点は、全員が2008年の北京オリンピックで組織委員会や選手村、競技場などで運営に携わった経験があることです。

 発足は2013年、コアメンバーは約50人。オリンピックと関係する40曲あまりをレパートリーに持ち、中でも、ギリシャ語による「オリンピック賛歌」は十八番(おはこ)の一つです。

 元公務員で、今は定年退職した王淑賢団長によりますと、北京で冬季オリンピックの気運が高まるにつれ、テレビ局や政府当局など様々なところから出演依頼が入ってきます。中には、ぶっつけ本番で有名歌手とのコラボレーションや歌ったことのない曲を2週間で仕上げる……などと突拍子もないミッションが課される時もありますが、「どんな難しいことでも受け入れてきました」。

 ギリシャ語による「オリンピック賛歌」も、そんなミッションの一つでした。ギリシャ語ができる団員がいるわけではなく、結果的に、録音を聞いて無理やり覚えこむことにしました。

 「通勤中の地下鉄の中で、食事の支度をする台所で、または夢の中でも……無我夢中になって、あらゆる手を尽くして歌詞を覚えました」と王団長は振り返りました。

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「奥運之家(オリンピック・コミュニティ)」合唱団の王淑賢団長

 曲そのものが難しいだけでなく、野外でイベントに参加する時は、順番が回ってくるまで、氷点下でずっと待たなければならないという体力的な挑戦もありました。しかし、「困難を恐れない」のが「奥運之家」なのだと王団長は自信に満ち溢れていました。

 「何故ならば、オリンピックのスタッフ経験者にとっては、“より速く、より高く、より強く”というモットーがすでに血液の中にしみこんでいるからです。オリンピックソングを歌いだすと、体がヒートアップするのです」

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1月21日、イベントでの順番が来るまで、最高気温が氷点下の室外で2時間ほど待機、待つ間も歌の練習を続けた「奥運之家」合唱団

 イベントの参加はもちろん無報酬です。しかし、活動を通して、張家口などの競技会場を実際に訪れたり、名選手と直接話したりして、冬季オリンピックを身近に感じることが、団員たちにとって、何よりの報いになっています。

 「私たちのイベントに、谷愛凌選手のおばあちゃんに顧問に来てもらったこともあります。みんな、谷選手のファンですよ」と王さんは自慢げに紹介しました。

 それもそのはず、米国で生まれ育った谷選手は、今回のオリンピックでスキーの3種目に出場し、金メダルの期待がかかっています。団員の中には冬季オリンピックでもスタッフとして活躍する人もいれば、定年退職した人もいます。しかし、団員はみんな合唱活動を通して、冬季オリンピックを身近に感じることがでると言います。

 ギリシャ語で歌った「オリンピック賛歌」のその後について。その歌はまるで翼がつけられたように、ギリシャ国内でも配信されました。それを見た視聴者からは「すごい!ギリシャでも歌われなくなった曲をこんなに上手に歌っているとは。ギリシャの子どもたちにも歌わせなくちゃ」などと驚きの感想が届きました。

 「それはほんとに嬉しかったです」と王団長が顔を綻ばせました。

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2022年1月9日、2008年北京夏季オリンピックのユニフォームでの集合写真

 我和你 心连心 共住地球村
 (You and me  from one world We are family
  私とあなた 心は一つ 同じ地球村の住民)

 2008年北京オリンピックの開会式で歌われたこの「You and Me」という曲も、「奥運之家」にとって誇れる曲の一つです。もともと男女のデュエット曲だったのを「奥運之家」が合唱曲に仕立てて、新しい命を吹き込ました。しかも、2015年7月31日、夜の「鳥の巣」で初披露することができました。その日は、2022年冬季オリンピックの開催地が北京に決まった日でもありました。

 それにより、世界初の夏季と冬季オリンピックの同時開催都市が誕生しました。その時の感動は、合唱団が今日まで活動を続けてこられた原点の一つだと言えます。

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2022年1月9日、2008年北京夏季オリンピックのユニフォームを着て「You and Me」を歌う「奥運之家」合唱団

 「You and Me」は、今でも「奥運之家」の愛唱歌です。しかし、この曲を歌うたびに、副団長・張萍さんの胸にはこみ上げるものがあります。それは声楽講師で、合唱団を指導していた張景紅先生の顔が思い浮かぶからでした。張先生は7年前に、50歳を手前に不治の病で逝去しました。オリンピックの理念に賛同し、合唱団にたいへん貢献した先生でした。

 「若くてとても美しい方でした。歌声は鶯のようでした。最後にお見舞いに行った時は、衰弱して言葉が話せませんでしたが、病床を囲んで、皆で『You and Me』を歌い出すと、安らいだ表情になりました。冬季オリンピックがいよいよ開幕します。私たちの歌声はきっと天国にいる先生のところにも届いていると信じています」

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「奥運之家(オリンピック・コミュニティ)」合唱団の張萍副団長(右)

 ここまで話すと、張さんは目が潤んできました。そして、次のような心中を聞かせてくれました。

 「オリンピックは人々を引き付ける灯りのようです。その中に含まれた人類共通の信念を広げるために、私たちは歌い続けてきました。今は、2022年の冬季オリンピックが聖なる大会に、世界中の人々が共に未来に向かえる大会になるよう切に願っています」

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1月9日、オリンピックソングの公開収録後の記念撮影

(取材・記事:王小燕、校正:CK)

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