北京
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今年の夏、ドリアンが大好きという人は、タイ産のドリアンが例年よりも安くなっていることに気付いただろう。例えば、雲南省昆明市の最安値は1キロ40元(1元は約19.2円)未満だった。「果物の王様」と呼ばれるドリアンの価格がどうしてこれほどお手頃になったのだろうか?
昆明市でタイの果物の貿易に携わっている刀玲さんは、「タイのドリアンの生産量が増加したこともあるが、中国ラオス鉄道が開通して中国の卸売業者に新しい輸入ルートが提供されるようになったことも原因」と説明する。
2021年12月3日に中国ラオス鉄道が開通し、コールドチェーン専用列車に積み込まれた南アジアや東南アジア諸国のトロピカルフルーツが中国市場に直接輸送されるようになった。また、中国の温帯の果物や野菜、雲南省の高原の特色ある農産品も、効率よく輸出されるようになり、沿線各国の人々に益が及んでいる。
コールドチェーンがもたらした「ホット」な物流
開通一周年を迎えた中国ラオス鉄道で輸送される貨物の種類は、化学肥料や日用品約10種類から、電子機器、太陽光発電関連製品、果物、花を含む1200種類以上にまで拡大し、輸送量は累計で1120万トンに達している。大量の貨物が輸送されているほか、旅客列車も頻繁に往来しており、中国ラオス鉄道の開通により、沿線の雲南省普洱市や西双版納(シーサンパンナ)・傣(タイ)族自治州といった人気観光地に鉄道のない歴史が幕を閉じた。
かつての「茶馬古道」に鉄道開通
中国ラオス鉄道の中国国内区間では今年6月23日に初の観光列車が運行され、沿線の墨江駅や普洱駅、野象谷西双版納駅などは観光客で賑わった。
かつて「茶馬古道」(唐の時代から形成された中国南西エリアと北西エリアの茶と馬の交易ルート)の重要な宿場町として栄えた雲南省普洱市寧洱県の「那柯里」村
(写真提供・寧洱県メディアコンバージェンスセンター)
7月24日に、麗江市と西双版納・傣族自治州を結ぶ観光列車「Y774」号の運行が始まり、「雪山」と「熱帯雨林」の距離がぐっと縮まった。
雲南省西双版納・傣族自治州告荘西双景景勝地の星光夜市
(撮影・曾智慧)
今月2日の時点で、中国ラオス鉄道の利用者は延べ850万人に達した。うち、中国国内区間が延べ720万人、ラオス区間が延べ130万人となっている。
この重要ルートは、貿易をバックアップし、貿易は産業に活気をもたらし、産業はさらなる開放のためにエンパワーメントしている。中国ラオス鉄道という「ゴールデン路線」がもたらすチャンスを掴んで、沿線の人々は豊かな暮らしを手に入れている。「人民網日本語版」より