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チベット自治区を行く・2017⑤墨脱への道

2017-08-08 17:37:56     cri    

 CRI日本語部の劉睿記者が、チベット自治区の林芝(ニンティ)地区を11日間に渡って取材してきました。今日から数日間、ありのままの人情や風景を連載でお伝えしていきます。劉記者の前回のチベット自治区入りから5年が経った今、その変わらぬ美しい姿と急成長を遂げた姿を過去の記事と比較しながらお楽しみください。

 林芝(ニンティ)地区の東南部に位置する墨脱(メトク)県、平均海抜は1200mとチベット自治区の中で最も低い地域です。多様性に富んだ地形と気候に恵まれた土地は、動植物や水資源が豊富で、「最後の桃源郷」とも呼ばれるほどです。一方で、自然に「恵まれすぎている」により、たどり着くのが難しく、また独特な地形によって道路の開通が難航したため、墨脱県は、中国で最後に道路が開通した街でもあるのです。


墨脱県の入り口

 地元の政府関係者によれば、墨脱の道路整備で最も難しいのが、雨季と地震への対応だそうです。墨脱県のは一年の約半分が雨期で、小雨でも山頂から流れる多数の川の水に影響を与えるため、山道や川沿いの道路に影響が出やすいです。また、雨季には地盤が緩くなるため、土砂崩れが発生する恐れもあります。そのため、せっかく道路を整備しても、河川の氾濫や土砂崩れで破壊されてしまうことが多々あるのです。

また、墨脱県全体は地震帯の上に位置しており、地震の多発地域でもあります。地元の人たちは慣れたもので、ちょっとやそっとの揺れには動じません。彼らにとって、地震は大した問題ではないのかもしれませんが、道路を整備する上では困りものです。

雨季と地震という2つの要素が、道路整備が進まずに墨脱県を「高原の孤島」にさせた最大の理由だったのです。


道路の修復作業を行う武装警察部隊員。
破損情報があれば即座に現場に駆け付け、道の安全を守り続けている。

 2010年12月15日、2年間の工事を経て、嘎隆拉山を貫通するトンネルが開通し、以前は10時間ほどかかっていた険しい山道が約10分の道のりにまで縮まりました。

 2013年10月31日、数十年の歳月を経て、117キロにわたる墨脱県までの道路が全線開通しました。2009年から2013年の間だけでも29本の橋がかけられ、227カ所に排水トンネルが設けられました。道路の全線開通により、墨脱への道が大きく開かれたのです。


道中には小さな川が多い。
酷使する車のブレーキを、川を通ることで冷やすのだという


土砂崩れの恐れがあるため山道で様子を伺う取材班、すぐ隣は断崖絶壁


道路の修復を待つトラック、高原でよく見る渋滞の光景だ


高原の孤島・墨脱県へ通じる道

 (取材・写真:RYU)

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