北京
PM2.577
23/19
担当:王小燕、斉鵬
営業再開前のリハーサルを行う湖南省長沙市の映画館
(観客が間隔を開けて座るように、1席おきにぬいぐるみが置いてある)
中国では、新型コロナ感染リスクが低い地域の映画館が20日に半年ぶりに営業を再開しました。一度に入場できる人数を収容人数の30%に抑えるという入場制限を実施すると同時に、1メートル間隔で座ることや館内での飲食禁止などを徹底しています。再開初日、全国では835カ所の映画館(総数の約6.7%)が再開し、23作品が上映されました。観客動員数15万7900人で、興行収入は約360万元(約5500万円)でした。観客数も興収も感染症がなかった時とは比べものになりませんが、映画館の再開自体が感染拡大で効果が出た後、社会経済活動の再開に向けての一つの模索と言えます。これからは益々多くの映画館再開の情報に期待したいところです。
さて、今週の番組はまず、リスナー参加型企画<コロナ禍の戦後75周年、私が今思っていること>に寄せられたメッセージです。今回は愛知県の株式会社「結の樹」社長の丸山隼人さん、高知県四万十市にお住いの杉村和男さん、ラジオネーム“大本営発表には騙されないヨ”さんの投稿を抜粋してご紹介します。その後の「旬な話題」では、中国南部の洪水被害の最新情報、新疆における新型コロナの感染状況、中国各地の生産・生活の再開に関する最新の動きにフォーカスします。
7月21日の北京・朝陽公園(撮影:平文智)
<お便りの抜粋>
★名古屋・ゲンさん
シベリアで永久凍土の溶解や森林火災が相次いで発生していて、温室効果ガスを急速に削減しなければ、今世紀末までにこうした異常気象が頻繁に起こる危険性があると言われています。中国長江流域や日本での洪水の被害には心が痛みますね。
更に、新型コロナへの対応で中国も日本も冷感マスクが人気を呼んでいます。私も王さんの意見に賛成で、時、場合、目的に合わせてマスクを使用しています。一刻も早い災いの収束を願いたいです。
そんな渦中でのCRIインタビュー。中国の大学卒業生の皆さんの生の声はとても具体的で、様子がよく分かりました。
3人の学生さんも、彼らに連なる多くの同級生の皆さんも、それぞれ大変だったと思いますが、袁さん、姚さん、操さんの日本語に関する卒論の取り組みや生き方のまっすぐさ、苦しさに負けない強さに、つくづく感心しました。
そして、何故か、3人の姿が、私が学生だった頃に友人たちと歌いまくった日本のフォーク草創期のカレッジフォークに重なりました。昭和41年(1966年)に放送された連続TVドラマ『若者たち』の主題歌です。
「君の行(ゆ)く道は 果てしなく遠い だのになぜ 歯をくいしばり 君は行くのか そんなにしてまで……」
皆さんの行く手に幸多いことを祈っています。
<コロナ禍の戦後75周年、私が今思っていること>その3
★愛知県名古屋市天白区・株式会社結の樹代表取締役・丸山 隼人さん
今回の新型コロナウイルス騒動において、全ての人が大きな分岐点に立たされたと考えています。今までの当たり前、日常が一気に様変わりし、変化せざるを得ない環境になりました。そんな時、今までと変わらない、助け合いができる関係の人とそうではない人と大きく2つに分かれました。
有事の際に本当の姿がわかると言われますが、まさにその通りだと感じました。こんな時だからこそ隣人に手を差し伸べられる人でありたい。そして弊社の職員もそうであって欲しいと願います。
弊社の理念は「携わる人の人生を豊かに」です。豊かにとは経済的だけでなく時間や精神的なものも含みます。
今回の中国からのマスクの寄贈はまさにその「携わる人の人生を豊かに」を体現されているものだと強く感銘を受けました。
2020年7月3日、結の樹天白で行われた七夕祭り(写真提供:結の樹)
国境をこえて自身ができることは何か、深く考えるきっかけをもらえました。
戦争が起きる際、やはりほとんどの理由が双方の価値観の違いです。国家思想、宗教観、人種観...私は、日本国民でありますが、その前に一個人、ひとりの人間であります。
何かを考えたり、行動するときには相手の国がどこだから、宗教が違うからなどの所属グループや肩書にとらわれるのではない人でありたいと思いました。
そして、それが世界平和に続く道であると個人的には考えます。
まだまだ新型コロナウイルス騒動が終息に向かいませんが、引き続き全員で警戒態勢を緩めることなく過ごしていきたいと思います。
★高知県四万十市右山五月町(うやまさつきちょう)・杉村和男さん
高知県黒潮町出口ごまじり浜に咲くハマダイコン(撮影:杉村和男、撮影日:2017年5月1日)
先の大戦では敵対関係だった国々も、今は新型コロナウイルスという共通な相手と戦っています。過去の歴史を踏まえつつも、今は国と国が力を合わせ、励まし合い、困難を乗り越えないといけない、そう思います。コロナウイルスは確かに大きな試練ではあるけれど、お互いの国が協力し合えれば、それは平和という大きな財産になります。
私が幼少の頃には、戦争を実際に見た、聞いた人が、周囲に普通に居ました。叔父は既に亡くなっておりますが、若かりし頃、出征しております。南京虐殺の話も直接聞きました。私の母が今年、90歳になります。その母が、中国残留孤児の話をしてくれたことがありました。「かつて、中国から見て日本は敵国。その敵国の子供を育ててくれて、中国の人は優しいことよね」と、語っていたのを覚えています。
高校1年の夏休みに、兄の車でよく山へ出かけていました。その時、車の中のラジオから聞こえてきたのが、NHK「みんなのうた」という番組の、「わたしのふるさと」という歌でした。それまで、おしゃべりしていたのをピッタリ止めて、この歌に聴き入ったことでした。沖縄での地上戦を歌った曲です。こんな詞です(作詞大島登美子 作曲照屋林賢 歌堀江美都子)
1 わたしが生まれた 南の島は 青く輝く海と空に 三線のつまびき 鳴り渡る
2 遠い昔の暑い夏の日 静かな 静かな その島は 激しい戦いに 明け暮れて
3 祖父さん眠る あの海を 見つめて今も 祖母さんは織る 暗くなるまで芭蕉布を
4 でいごの花が咲く頃に きっと帰ろう あの故郷へ 幼い日々の真心 育ててくれた あの海へ
良かったら、聴いてみてください。胸が熱くなるものが有ります。
広島に原子爆弾が投下された8月6日頃、四国カルストでは、ヒメユリ(姫百合)の花が咲きます。ヒメユリと言えば、沖縄の「ひめゆり学徒隊」を思い出します。むろん、ほとんどは戦禍の犠牲になりました。フィリピン、テニアン基地から広島への飛行ルートを考えると、ヒメユリの花を眺めながら、この上を原爆搭載機が飛んでいったのだろうかと、毎年、いつも想像します。
★ラジオネーム“大本営発表には騙されないヨ”さん
よく拝聴しています。私が思うのは、ドイツがナチス時代の侵略と戦争犯罪を国を挙げて反省し、ナチスを許さない歴史認識を隣国と共有している様に、日本も同様の深い反省と、隣国との共通の歴史認識を持つべきだと常々感じています。
しかし日本の現状はドイツとは全く異なり、今の日本人の多くは、日中戦争や第二次大戦の加害者意識・反省が薄いです。なぜでしょうか?(加害者意識だけでなく、日本の過去の戦争自体が風化していますが)
一つはアメリカの政策だと考えます。日本はアメリカの目下の同盟国であり、日本をアメリカ側に置くため、中国や韓国と対立させる政策をとっています。日本が中国や韓国と和解し親密にならないように、わざと歴史認識も対立させているのでしょう。
ドイツは隣国と和解・信頼しEUで結束していますが、アメリカは、決して日本が隣国とEU化しないように図っているのでしょう。
同時に自民党政権・右翼勢力は、戦前の旧日本帝国賛美・戦争肯定の意識を大衆に広げようと意図してきました。なぜなら、戦後の「日本国憲法」を敵視し、旧日本帝国時代のように大衆を支配する社会に戻したいのです。その為に彼らは、日中戦争や第二次大戦を肯定し賛美させたいのです。
日本人の中にも、真の良心や教養のある人々は、ナチスと同類の旧日本帝国とバカ日本帝国軍隊の行った多大な戦争犯罪を決して許さないと思っています。
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メッセージ募集のご案内
<コロナ禍の戦後75周年、私が今思っていること>
字数:ご自由に。
署名:本名・ハンドルネーム・ペンネームのいずれも可。
形態:文字原稿・音声ファイルでの投稿のいずれも可。
(投稿内容と関連する写真の同封は大歓迎)
宛先:riyubu@cri.com.cn
タイトルに「75周年メッセージ」と明記してご送信お願いいたします。
【リンク】
<コロナ禍の戦後75周年、私が今思っていること>その1 「紫金草物語」作詞者・大門高子さんの思い
<コロナ禍の戦後75周年、私が今思っていること>その2 神宮寺敬さん(100歳)、東京都大田区・三輪徳尋さん