北京
PM2.577
23/19
担当:王小燕、斉鵬
日本では九州を中心に豪雨による土砂災害で80人以上が死亡、または行方不明となり、東北から九州の計21県で住宅の被害は計1万4160棟が確認されたと伝えられています。被災した方々に心からお見舞い申し上げます。
こちら中国でも河川の増水期に入って、長江流域が深刻な洪水被害に見舞われています。全国では433本の河川が警戒水位を超えて洪水が発生しており、27の省・自治区・直轄市で3789万人が被災し、141人が死亡・行方不明となり、家屋の倒壊は2万8000軒にも及んでいます。
中日両国はいずれも新型コロナとの闘いが続く中、大きな自然災害にも見舞われています。これ以上被害が広がらないことを北京で祈るのみです。また、現場で災害対策や人命救助に当たっている方々を心から応援しております。
さて、今週の番組まずは、リスナー参加型企画<コロナ禍の戦後75周年、私が今思っていること>に寄せられたメッセージをご紹介します。今回は山梨県甲府にお住まいの神宮寺敬さん(100歳)、東京都大田区にお住まいの三輪徳尋さんの投稿を抜粋してご紹介いたします。このほかにも多くの方々からメッセージが届いておりますが、来週も引き続きご紹介させていただきます。またこの企画はしばらく続きますので、皆さんからのご応募を心からお待ちしております。その後の「旬な話題」では、中国南部の洪水被害の状況と夏用の「冷感マスク」に関する専門家の意見を紹介します。後半の「CRIインタビュー」では、「コロナ騒ぎ中の大学新卒者」をテーマに、パンデミックという未曽有の事態で卒業を迎えた国際関係学院日本語学科4年の袁珵さん、姚禹さん、操锦正さんに電話でインタビューしました。新型コロナで卒業後の予定がままならない中、悩みながらもチャレンジ精神を忘れずに、青春を燃やす中国の若者の心象風景をぜひ覗いてみてください。
国際関係学院正門
<お便りの抜粋&コロナ禍の戦後75周年、私が今思っていることその2>
★山梨県甲府市・神宮寺敬さん(100歳)
山梨県甲府市・神宮寺敬さんと妻・綾子さん 2020年2月撮影
2020年7月1日に届いた神宮寺さんのファックス
中国と日本が戦後75周年を迎えたといっても、知ってのとおり中国でも日本でも、日本と中国の戦争を経験した人は生存していませんね。
日本と中国は2度と戦ってはならないのです。
私はCRIの日本向けの放送を聞き、リスナーとなり、中国のUTYでの実習生の生活を引き受け、朝夕の食事を共にすることが友好のもとと今でも信じています。
私も100歳まで生きて、民間の日中友好と戦争の悲惨さを語り、伝えてゆきたいと願っています。
★東京都大田区・三輪徳尋さん
日本では、1925年に25歳以上の男子全員に選挙権が与えられ、日本帝国軍による中国全土への侵略戦争を始めた1937年当時には、有権者は全人口の20%以上に達していたと記されています。
日本が国として侵略戦争へ向かって進むことを止める良識がある有権者はいなかったのかと、こうした話題を考えるたびに強く思う疑問です。
少し古い短編の書物になりますが、戦争責任について書かれたものがあります。映画監督で俳優でもある伊丹十三さんの父親の伊丹万作さんが書いた「戦争責任者の問題」では、「だますものだけでは戦争は起らない。だますものとだまされるものとがそろわなければ戦争は起らないということになると、戦争の責任もまた(たとえ軽重の差はあるにしても)当然両方にあるものと考えるほかはないのである。」「彼らの跳梁を許した自分たちの罪を真剣に反省しなかつたならば、日本の国民というものは永久に救われるときはないであろう。『だまされていた』という一語の持つ便利な効果におぼれて、一切の責任から解放された気でいる多くの人々の安易きわまる態度を見るとき、私は日本国民の将来に対して暗澹たる不安を感ぜざるを得ない。」と書かれています。
とても75年前に書かれたものとは思えないほどに、侵略戦争を始めとする歴史問題に真摯に向き合うことをしないのかの答えがあるように思います。
私達の祖父母にあたる人たちが犯してしまった罪の本質は、「ただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなく、造作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになってしまっていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。」とまさに思います。
敗戦から75年経過し、すでに遅きに失しているけれども、私達の次の世代が責任のある国民として、隣国、中国の人たちと共に暮らすためには、先祖の行為責任を認め、歴史に向かい合ってしっかりと総括し、反省することが必要だと思います。もう、日本の将来に暗澹たる不安をかかえたまま、次の世代にバトンを渡してはならないと思います。
★高知県四万十市右山五月町・杉村和男さん
7月7日の放送、お聴きしました。CRIインタビュー、児童文学者、作詞家の大門高子さんのお話は大変感慨深いものが有りました。 前後しますが、「盧溝橋事件」について、社会の授業では習いましたが、7月7日だというのは知りませんでした。勉強になりました。
日本は先の大戦において、加害者だったことを絶対に忘れてはなりません。国内では、沖縄での地上戦、広島、長崎への原爆投下、ローカルなものでは、高知大空襲など、毎年、平和式典を開催しているのですから、他国への行為は忘れて良いとはならないのです。
それからもう、75年ですか。私が生まれたのは1962年、戦後から、わずか17年後のことです。私の人生はもう58年(歳)になり、そう思うと17年なんて、短いものです。
南京に置いて、日中友好の象徴とされる紫金草という花についても調べてみました。日本では「ムラサキハナナ」と呼ばれており、近縁種のハマダイコンが四万十市周辺の海岸に自生しています。写真下は2017年5月1日に、高知県黒潮町出口ごまじり浜(くろしおちょう いでぐち ごまじりはま)で撮影した、ハマダイコンです。春の長閑な海岸風景を演出する花です。
高知県黒潮町出口ごまじり浜に咲くハマダイコン(撮影:杉村和男、撮影日:2017年5月1日)
写真(下)四万十川支流、後川(うしろがわ)の風景です。7月2日、四万十市大用寺(だいようじ)で撮影しました。偏光フィルターを装着しています。懐かしさ漂う、平和な風景です。 青い空、白い雲、緑の川辺、清らかな川の流れ、この風景がいつまでの残るよう願うばかりです。市街地方向になります。右手前は、高知県立中村高等学校です。妻の好きな風景でも有ります。
四万十川支流・後川の風景(撮影:杉村和男、撮影日:2020年7月2日、撮影地:大用寺)
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<コロナ禍の戦後75周年、私が今思っていること>
CRI日本語放送メッセージ募集のご案内
字数:ご自由に。
署名:本名・ハンドルネーム・ペンネームのいずれ可。
形態:文字原稿・音声ファイルでの投稿のいずれも可。
(投稿内容と関連する写真の同封は大歓迎)
宛先:riyubu@cri.com.cn
タイトルに「75周年メッセージ」と明記してご送信お願いいたします。
【リンク】
<コロナ禍の戦後75周年、私が今思っていること>その1 「紫金草物語」作詞者・大門高子さんの思い