北京
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中国人学生を対象にした「第12回広島大学日本語作文スピーチコンテスト」の発表会が18日午後、同大学北京センター(首都師範大学内)で開かれました。テーマは「日中国交正常化45周年を迎え、私が望む日中関係」。貴州大学、中国人民大学などからの大学生5人が、約120人の観衆を前に日本語によるスピーチで競い合いました。
5人は日本や日本語との出会いを通して感じたことを作文に綴り、中日間の相互理解に向け、それぞれの視点から提案し、自らの抱負を語りました。最優秀賞に輝いた顧詩嘉さん(中山大学日本語学科3年)は、不安定な両国関係を背景に、日本語専攻の学生が持つ、将来の就職に対する不安に言及しました。夏休みに日本の人材派遣会社でアルバイトをした時の実体験を盛り込み、平和、競争、交流こそが関係発展のキーワードだと訴え、豊かな感性と理路整然とした構成力で、審査員と観客に印象を残しました。
最優秀賞に輝いた中山大学日本語学科3年の顧詩嘉さん
広島大学北京センターによりますと、今回のコンテストには中国全土28大学から約500作品の応募があったということです。今回発表をした5人は、一次審査(作文審査)と二次審査(ネット投票による音声審査)を経て選出されました。
発表会に先立ち、広島大学の佐藤利行理事・副学長、在中国日本国大使館の横井理夫参事官、協賛企業代表である福山通運(株)の小丸成洋代表取締役社長がそれぞれ挨拶し、選手たちを激励しました。また、今回のコンテストのテーマにちなんだ記念講演も実施されました。ゲストに招かれた中華日本学会名誉会長の劉徳有氏が「周総理とピンポン外交」を題に、中日双方の先人たちが中日国交正常化実現に向けて行ってきた努力を、分かりやすい言葉で、力強く、若者に向けて語りました。
(左)特別講演中の劉徳有氏
(右)CRI特別賞を受賞した中国人民大学2年の王代望選手、左がCRI日本人スタッフの梅田謙
発表会では個人賞のほか、団体賞の授賞式も行われました。中山大学が「金賞(広島大学北京研究センター長賞)」貴州大学が「銀賞(にしき堂特別賞)」、大連外国語大学が「銀賞(オタフクソース特別賞)」をそれぞれ受賞しました。
なお、広島大学北京センターは、広島大学が2002年に首都師範大学国際文化学院に設立した初の海外教育研究拠点で、2006年から毎年、「日本語作文スピーチコンテスト」を開催してきました。12回目の今年は広島大学北京研究センター、首都師範大学日本文化研究センター、福山大学北京教育研究センターが共同主催しています。
中国国際放送局(CRI)日本語部は昨年に続き、今年も特別後援として音声審査の運営や出場者たちへの事前の発音発声指導で協力したほか、CRI特別賞の授賞も行いました。
(取材:王小燕、梅田謙、写真:呉英傑)
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