北京
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作者、元好門は金末期の詩人。山西省太原の人。7歳の時から詩を作り、神童と呼ばれました。生涯のほとんどを山西省で暮らしたことや、南宋と同時期に中国に成立した金の人だったこともあり、あまり名前は知られていません。金の伝統文化の保護や仕事で接した農民たちの困窮ぶりに同情したり、祖国を愛した人間味あふれる人だったようです。詩のタイトル「京都(けいと)」は金王朝の都・汴京(べんけい)、現在の河南省開封のこと。「元夕(げんせき)」は旧暦1月15日の夜を言います。現在でも中国では旧暦1月15日までがお正月で、この日は元宵節といって提灯をかかげたり、張りぼてに灯りを点したりします。この詩の「灯火児童閙ぐ」の感じが容易にイメージできます。「袨服」は盛装、綺麗な服装、日本的に言えば晴れ着ですね。「華粧」は、華やかに化粧した、豪華な装いを言います。これもお正月の雰囲気をよく伝える単語です。この詩は作者が任官試験に合格して都で国史院に配属されていた時のものでしょう。この後、職を辞して中国の名山のひとつ嵩山(すうざん)や少林寺が有名な登封(とうほう)に帰ってしまいます。賑やかな元夕=元宵節の夜に1人華やいだ気持ちになれない作者の複雑な気持ちが伝わります。