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ユーロ圏でインフレ圧力が強まっていることを受けて、欧州中央銀行(ECB)は3日、主要政策金利を0.25%引き上げて4.25%にすることを決めました。利上げはおよそ1年ぶりで、これにより欧州中央銀行は、経済成長より物価の安定に取り組む姿勢を示すことになります。
これまでは、景気の過熱が原因でインフレが起きるのが一般的でしたが、今回、ユーロ圏で発生しているインフレは、景気減速が背景となっています。エネルギーや穀物価格の大幅な上昇、とくに原油価格の高騰が、エネルギーの輸入依存度が高いユーロ圏に大きなインフレ圧力を与えています。ユーロ圏では、6月の消費者物価上昇率が、ユーロ導入の1999年以降、最も高い4%に達し、欧州中央銀行の指標である「2%」を10ヶ月連続して上回りました。
これを受けて欧州中央銀行は、中・長期的な物価安定を確保しようと利上げを実施しました。しかし、ユーロ圏の経済情勢から見れば、欧州中央銀行は困難な状況の中で利上げに踏み切ったと見られています。金融市場の動揺やアメリカの景気減速などの影響を受け、ユーロ圏では、去年の第4四半期から景気の減速が続いてきました。その中で物価や賃金水準の上昇により、インフレ圧力が日増しに強まっています。したがって、ユーロ圏内部では、さきに景気減速に対応すべきだと主張する声が聞こえています。
アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は、景気減速対策として去年9月から連続して利上げを実施しましたが、欧州中央銀行からは何の対応もありませんでした。それにより、ユーロの為替レートは対ドルで上昇し、ユーロ圏の輸出に大きな制約を加えました。また、高い金利は貸付と消費を抑制し、経済成長のスピードを緩めました。それでユーロ圏内では、フランスをはじめとする一部の国が、去年から利下げを求めています。しかし一方、穀物や原油価格の高騰が国民の不満を買い、一部の国でストライキと抗議活動も発生していることから、インフレ対策としての利上げを支持する声もあります。
こうした中で、欧州中央銀行は、利上げを決定しました。これは、国際原油市場の中長期的な成り行きを見極めた上での選択と見られています。利上げが発表された当日、国際市場の原油相場は上昇しました。これについて欧州中央銀行のトリシェ総裁は、「原油価格が今後も上昇し、ユーロ圏でインフレ圧力が高まっていくと予想されるため、何よりも先にインフレ問題を解決すべきだ」と述べました。
ユーロ圏では現在、労働力市場が安定し、経済がアメリカより健全となっているほか、ユーロ高はエネルギーや原材料の輸入価格の上昇を抑えています。したがって欧州中央銀行にとって、今後、インフレ抑制と経済の長期安定の維持が政策の中心となると見られています。(翻訳:鵬)
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