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アメリカのブッシュ大統領は現地時間4日、ヨーロッパ6カ国に対する訪問を始めます。8日間の訪問期間中、ドイツのハイリゲンダムで開かれるG8・主要8カ国首脳会議に出席するほか、チェコ、ポーランド、イタリア、アルバニア、ブルガリアを訪問することになっています。
訪問に先立ってブッシュ大統領は、ヨーロッパのメディアのインタビューに答え、「人類の状況に深く関心を持つ国を代表して、ヨーロッパの人々に、親切で同情心のあるアメリカを示す」と述べました。これに対し、ヨーロッパのメディアは、「ブッシュ大統領の訪問は、ヨーロッパ諸国にアメリカの柔軟な面を表す」としています。実際、ブッシュ大統領が訪問の前に打出した政策から見ても、アメリカが、ヨーロッパとの関係を改善し、ヨーロッパの支援を得るほか、世界の重要な問題に対して主導的な地位を確保しようとする姿勢が見られます。ブッシュ大統領は訪問に先立って、気候変動に対応するための長期的戦略を打出し、温室効果ガスの排出削減について、温室効果ガス排出量が多い15カ国による国際的枠組みを来年末までに構築することを提案しました。また、アフリカでのエイズ対策支援を倍増させ、来年、締め切りとなる支援期間も延長して、2008年以降の5年間で、それまでの5年間の倍の300億ドルの予算を議会に求めました。
世論は、アメリカとヨーロッパ諸国との関係の改善において、ブッシュ大統領は成果を得ることができると見ています。とくに、欧州連合の主要国であるドイツとフランスの政権の交代によって、ヨーロッパの政治的な雰囲気が暖かくなったとしています。ドイツのメルケル首相もフランスのサルコジ大統領も、イラク戦争の開始に強く反対した前政権とは変わって、ヨーロッパとアメリカの間で、より安定した関係の構築を主張しています。したがって、今回のG8首脳会議では、ヨーロッパとアメリカの関係を妨げるイラク戦争は、主要議題ではなくなるだろうとされています。
しかし、同時に、ヨーロッパでは、イラク問題になかなか決着がつかず、武力衝突が激化しているのは、ブッシュ政権の責任だという見方もあると、世論は指摘しています。
このほか、東ヨーロッパでのミサイル防衛システムの配備でも、ブッシュ大統領は困難な問題にぶつかることが予想されています。ミサイル防衛システムの配備についてプーチン大統領を含むロシア政府高官たちは、強い反対を示しています。また、ロシアは軍事力の強化を急ぎ、コソボ問題への対応についてもアメリカと対立しています。ヨーロッパ諸国は、軍拡競争が起きるのを懸念して、アメリカの東ヨーロッパでのミサイル防衛システムの配備について、多少なりとも立場を保留しています。したがってブッシュ大統領の今回の訪問では、プーチン大統領の怒りをしずめるほか、ヨーロッパ諸国の支持を得ることも必要になります。
そして、ブッシュ大統領は、気候変動への対応について、今までより立場を緩めましたが、ヨーロッパ各国からは、まだ足りないとされています。欧州委員会のバローゾ委員長とドイツは、「気候変動への対応は国連の枠内で行い、温室効果ガス排出の主要国全体が参加すべきだ。アメリカはもっと責任を取るべきだ」と指摘しています。(翻訳:鵬)
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