イラン憲法擁護評議会は29日、24日の大統領選挙結果を批准し、アハムード・アフマディネジャドテへラン市長が正式に大統領に当選しました。
世論は「アフマディネジャド氏は政治経験が未熟で大統領に当選して内外から一連のチャレンジに直面している」と見ています。
アフマディネジャド大統領はイラン保守派の代表的人物であり、宗教法令の厳守を主張し、社会生活と経済運営などの国内問題でも保守的な姿勢を示しています。アフマディネジャド氏の大統領当選で多くの人々は過激な保守政策に懸念しています。
保守派と改革派の間に大きな対立が存在し、両派の関係改善はアフマディネジャド政権の重要課題となっています。
アフマディネジャド大統領の側近は29日「新大統領は後退ではなく、進歩的な政策を実施するだろう」と示唆しました。社会各界の懸念を解消させるため、新政権は若者の服装、通信手段などに関与しないよう警察機関に要求し、審査制度を廃止する意向を示しています。
アフマディネジャド大統領は低所得者層に広範な支持基盤をもっています。アフマディネジャド氏はテヘラン市長在任中、経済発展、就業増加、交通教育事情の改善に全力をあげたため、貧困層の支持を得ました。低所得者層の広範な民衆は就業、教育、生活状況の改善でアフマディネジャド大統領に大きな期待を寄せています。
外交問題でアフマディネジャド大統領は一連の問題に直面しています。当面の主要課題である核問題でアフマディネジャド大統領は「国家の利益を擁護し、原子力平和利用の権利を有する前提でEUと交渉を続ける」と表明しました。これに対し、EUはウラン濃縮活動の放棄を要求しています。双方は意見の対立で交渉が妥結できなければ、イランの核問題は国連安保理に付託されるだろうと懸念しています。
イランは1979年のイスラム革命以来、アメリカと敵対状態にあり、アフマディネジャド氏の大統領当選でアメリカは関係改善の意向を示しておらず、イランに対する封鎖と圧力を続けています。アフマディネジャド大統領は当選後の記者会見で「アメリカがイランを敵視し続ければ、双方は関係改善の必要がない。イランはアメリカ以外の諸国と関係を強化する意欲がある」と明らかにしました。
周辺諸国との関係改善でアフマディネジャド大統領は「アラブ諸国と良好な関係を維持してゆき、強大で近代的かつ先進的なイスラム社会を目指す」としました。
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