先日、京杭大運河の世界遺産登録申請作業が最終段階に入ったというニュースを見て、北京にはどのくらいの世界遺産があるのか、ちょっと気になって調べてみました。

　中国最大の検索サイト「百度（バイドゥ）」によりますと、2013年までの時点で、中国には45カ所の世界遺産があり、イタリアに次いで世界で第2位ということです。その中には文化遺産が31ヶ所、自然遺産が10ヶ所、両方とも揃っているところが4ヶ所となっています。北京市には6ヶ所もあります。それではさっそく、1つずつ見ていきましょう。

　★周口店『北京猿人』遺跡

　周口店遺跡は、華北地区の重要な旧石器時代の遺跡で、そのうち最も有名な遺跡は「周口店第一地点」、すなわち「北京原人」遺跡です。この遺跡は1921年、スウェーデンの地質学者であったアンダ―ソンさんが初めて発見したもので、その後、多くの学者がこの遺跡の周辺を発掘しました。1927年、カナダの学者ブダソンさんが周口点遺跡の本格的な発掘を行うと共に、この遺跡で発見した猿人の3枚の歯を「中国猿人北京種」と正式に命名しました。1929年、中国の考古学者・斐文中さんは、発掘の中で「北京原人」の初となる頭蓋骨を発見し、世界の注目を集めました。

　★万里の長城

　「世界の7つの奇跡」の1つとされる万里の長城は、世界で最も歴史が長く、工事規模が最大である古代の軍事防御施設であります。その雄大な城壁は東から西へ山々を越え、砂漠を貫き、中国北部の地に延々と7000キロ以上も続いています。万里の長城は1987年ユネスコによって「世界の文化と自然遺産」に指定されました。

　★故宮

　故宮は、北京市中心部の北側にあり紫禁城とも呼ばれています。明や清朝の皇帝が居住する王宮でした。世界に現存している中で規模が最も大きく、最も整っている古代の木造建築群になります。1987年にユネスコの「世界文化遺産のリスト」に登録されました。故宮は、明の永楽4年(1406年)から建造が始まり、14年かけて完成しました。故宮では24人の皇帝が即位し、政務を行いました。規模が非常に大きく、風格がある芸術的で豪華な故宮は、世界でも稀に見る宮殿なのです。