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田中宏さん 中国人強制連行を考える会代表(中)

2010-12-21 17:46:46     cri    

国際・交流へ

日本の対アジア戦後処理、1985年がスタート

――終戦から60数年が経ち、中日の国交正常化からも40年経とうとしています。中日両国は過去の歴史を受け止めた形で再出発し、戦後処理はすでに解決済みの問題だという見方もありますが…
 日本と近隣、とくに中国、朝鮮との戦後処理において、非常に特徴的な問題が残っていました。日本の戦争責任については、1952年に効力を発した「対日平和条約」(「サンフラシスコ講和条約」)で基本的なことは解決したということになっているのですが、その会議には、中国を代表するどちらの政府も、また朝鮮半島にあるどちらの政府も招かれなかった。日本が一番大きな被害を与えた中国と朝鮮は、あの条約では何の解決もなされていません。

 その背景として、当時の冷戦構造と米ソ対立の下、日本はアメリカとうまくやれば、アジアとの関係を考えなくてよい時代が続いていたからだと私は見ています。後に、アメリカはベトナム戦争でどうにもならなくなり、大きく外交転換したのにつれ、日本も転換をせざるを得ず、それが1972年の田中角栄氏の訪中となりました。

 その際、中国大陸の政府と外交関係を結ぶとなると、歴史の問題が避けがたく出てきました。そのため、1972年に発表された「日中共同声明」は、日本の戦後処理に関する国際文書の中で、最初に歴史認識に触れたものでした。それ以前のものについては、1952年に蒋介石と締結した「日華平和条約」も、1965年に韓国と結んだ「日韓条約」も歴史認識について一切触れていなかったんです。日本が「日韓条約」に基づいて韓国に払った3億ドルは、「お隣に新しい国が生まれたので、独立祝い金として出した」という有名な話があります。

 その後、82年に教科書問題、85年に首相の靖国公式参拝問題が相次いで起こり、日本がアジアとの関係で歴史のことを真剣に考えざるをえないところまで来たのが、私は85年だったと思います。

 そういう意味で、戦争は欧米との関係では1945年に終わったけど、アジアとの関係で言うと、1985年に終わったと考えたほうがよいと主張しています。

 

――対中国や朝鮮半島の戦後処理問題はまだ不十分だというご指摘ですか。

 1985年、西ドイツのヴァイツゼッカー大統領が「過去に目を閉ざす者は、現在をも見ることができない」という戦後40年の記念演説を国会で行いました。それとほぼ同じ時期、日本の首相が東条英機を祭った靖国神社を参拝しました。それがきっかけとなり、日本とアジアとの関係は1985年を出発点に歴史の重みがひしひしと伝わってきました。

 その後、今日にいたるまで、靖国問題について、日本の総理大臣になる人はいつも頭を悩まされていました。新しい総理大臣が出る度、必ず参拝が問われ、小泉氏を除いて誰も行こうとする人がいなかった。小泉政権の5年間は、日中、日韓関係がもっとも冷えた期間でした。

 日本は、戦後50年にあたる1995年に村山談話、韓国併合100周年にあたる今年、菅談話をそれぞれ出しましたが、いずれも、少なくとも、歴史に関して真剣に反省するということを言っています。「日中共同声明」、「日韓条約」などで過去の問題は解決したと一方では言っているものの、新政権が発足する度に「村山談話を踏襲する」と必ず言わざるをえなくなっています。

 その後、重要な戦後処理の問題が残っているのは北朝鮮ですが、2002年「日朝平壌声明」が調印され、過去の歴史について反省する文言が入っていました。国際文書の中で一応、それを書かざるをえなくなっています。が、それに伴った具体的なことをどうするか、韓国では少しはやっているし、中国では強制連行のことは少しはやっていますが、まだ始まったばかりです。

 

――韓国での具体的な動きといいますと…

 たとえば、文化財についてです。日本が韓国から持ち帰った文化財について、一応「日韓条約」を締結した際、「日韓文化財協定」を結んで解決したことになっていますが、それじゃ不十分だということで、この間の「菅談話」でも触れたわけです。そのほか、在韓被爆者の問題や、サハリン在住朝鮮人の問題、慰安婦の問題など、対韓国の戦後処理問題は少しずつ動いてきています。

 慰安婦の問題について、一応「アジア女性基金」に政府もお金を出しており、韓国、フィリピン、台湾、インドネシア、オランダ人女性に対して活動はしてきましたが、中国、朝鮮に対しては何もしていない。

 中国政府は遺棄化学兵器、慰安婦、強制連行などの戦後遺留問題について、「妥当な解決が図られることを期待する」とずっと言ってきました。日中の場合、強制連行の問題が少しずつ動いてきて、最終的に政府がどういう形でそれに参加させられるかは、これからの運動で求めていきたいことです。(つづく)

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