12月に入ってすぐ北京に初雪が降りました。私の住んでいる小区(団地)もきれいな雪景色になりました。
一昨年、人工降雪をしたら降りすぎてしまい、空港は閉鎖されるは、市内の交通は大混乱するはで大変でしたが、おかげで前回書いたように暖房が1週間早く始まりました。去年はさしたる理由もなく1週間早く始まりました。とすれば今年も…と思っていたら、期待に違わず1週間早く暖房が来ました。北京市政府の市民への気遣いでしょうか。ありがたいことです。
こんなに寒くなってきて、あの人たちはどうしてるだろう?
と心配になったのが、以前、ここで紹介した野外麻雀のお年寄りの皆さんです。雪の降る前に小区の中の公園まで見に行きました。
寒風の中、厚い防寒服にくるまってしっかり麻雀をやってました。心なしかやや若い中年の人が多くなったようにも見えますが、お年寄りも麻雀、トランプ、将棋をそれぞれ楽しんでいます。ホントに元気ですね。
ところで、ある日、小区の中の道を歩いていて、何だか妙に明るいなと感じました。よく見ると、以前、こんもり茂っていた並木がありません。すっかり伐採されて駐車場になっていました。私の住む団地は元来はあまり所得の高い人が多いところではないのですが、ついにここにも車社会が来たかと感慨深いものがありました。
先日、ある大学の教授から、いかに北京の車の増え方がすごいかを聞きました。自動車の保有台数が100万台を突破したのは、東京が1960年だったのに対し北京は1997年でした。いわば30年以上遅れてのスタートでしたが、それからの北京の増え方がすさまじい。200万台を超えるのに東京は7年かかったのに、北京は6年。300万台を突破するのに東京は8年で北京は4年。400万台までは、東京は9年、北京は2年半。そして、500万台を超すのに北京はわずか1年半、東京はまだ達していません。まるで、日本と中国の経済発展を象徴しているようですが、これだけ急激に車が増えれば、いろいろ問題の起きるのは当り前です。
北京の車が増え始めた頃、北京の都市交通をどうするかという議論があったそうです。都市問題の専門家は鉄道を作るべきだと提言しましたが、当時、市の幹部は車を手に入れたばかり。自分たちの車のために道路建設を優先した。それで、公共交通の整備が遅れたという話しを聞いたことがあります。
小区の中を歩いていると、時々、「おや?」という光景に出くわします。これもその1つ。道の真ん中にコロンと洋式便器が置いてありました。一体、何なんでしょう?
周りを見たら、小区の中で車があまりスピードを出さないように車止めを作って、そのセメントが乾くまでの交通止めのようです。なぜ交通止めが便器なのかは不明です。多分、その辺に捨ててあったのを、これ幸いと、ひょいと置いたんだと思います。ともかく、こんなところにも車社会化が垣間見えますが、道の真ん中に便器が寝ている姿はなかなかシュールな光景でした。(大野清司)
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