～ひとくちメモ～

　2015年4月初頭には清明節連休があり、清明節を意識した作品が多数公開される予定です。中国で墓参りの日とされる清明節ですが、例年ではホラー映画が数多く上映される時期とされています。今年はホラーのほか、アクションやアニメなども多くより多くの観客層を狙っているようです。

　今月のいち押しは香港のサスペンス映画『暴瘋語（Insanity）』。香港のトップ俳優、劉青雲（ラウ・チンワン）と大陸の人気俳優、黄暁明（ホァン・シャオミン）がW主演で、香港の爾冬陞（イー・トンシン）がプロデュース、李光耀（デビット・リー）監督がメガホンを取るこの作品はキャストもスタッフも中国トップレベル。妻を殺し精神疾患と認定された男と、その主治医を務める男が新たな殺人事件に巻き込まれるサスペンスで、夢か現か、正気か狂気かという狭間を生きる男たちの駆け引きをうまく表現した2大俳優の演技合戦が見どころ。また、脇役として出ている香港女優の鮑起静（パオ・ヘイチン）が第51回台湾金馬奨最優秀助演女優賞にノミネートされました。

　一方、中国のトップ女優、範氷氷（ファン・ビンビン）と女性監督、李玉（リー・ユー）が4度目のタッグを組んだ作品『万物生長』にも注目が集まっています。これは中国の人気青春小説を原作とした映画で、社会人の年上の女性と年下の男子大学生の恋を描いた作品。ファン・ビンビンと共演しているのはSUPER JUNIORの元メンバーで現在、俳優として大活躍中の韓庚（ハンギョン)。美男美女の組み合わせでどんな青春物語を生み出すのか中国ファンの間で話題を呼んでいます。

　もう1本のおすすめは、人気歌手・女優、伊能静の初監督作品『我是女王（The Queens）』。中国の同名人気小説を映像化するもので、人生の新たなステージで自分捜しをするという一人の女性の物語です。才色兼備のヒロイン役を演じているのは韓国のトップ女優、ソン・ヘギョ。ソン・ヘギョは王家衛（ウォン・カーウァイ）監督の「グランド・マスター」に続き、昨秋に公開された呉宇森（ジョン・ウー）監督「THE CROSSING（中国題：太平輪）」と、中国映画への出演が相次ぎ、精力的に中華圏で活動しています。今回は初めて主役に抜てきされました。ほかにも、台湾の女優、陳喬恩（ジョー・チェン）や俳優、鄭元暢（ジョセフ・チェン）、中国の若手俳優、竇驍（ショーン・ドウ）らも出演するなど、豪華な顔ぶれとなっています。

　洋画の注目作はハリウッドの人気シリーズ『ワイルドスピード』の7作目にあたる「SKY MISSION」と、ジョニー・デップ主演の『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密（中国題：貴族大盗）』。『ワイルド・スピード SKY MISSION（中国題：速度与激情７）』は路上のみならず空をも舞台にした壮大なカーアクションが描かれるということでも期待が高まっています。日本でもこの4月17日に公開される予定。『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密（中国題：貴族大盗）』は『シークレット　ウインドウ』でジョニーとタッグを組んだデヴィッド・コープが監督を務め、グウィネス・パルトロー、ユアン・マクレガーらが共演。日本では2月6日に公開済。