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6月は中国では、大学受験のシーズンです。今回の中国メロディーは、中国の教育とそれにまつわる音楽をご紹介します。
「高考」 夢への階段
「全国大学統一入学試験(高考)」は日本の大学入試センター試験に当たります。試験期間中は夜間工事が一切禁止されるなど様々な措置がとられます。そんな高考は、毎年受験生だけでなく社会全体の人々を巻き込み、大きな話題になります。
「高考」は、なぜこれほど注目されるのでしょう。その理由は、古代中国の科挙制度にさかのぼることができます。元の詩人・高明は七言絶句「琵琶記」の中で、「十年寒窓無人問、一挙成名天下知(苦学の十年間は誰からも関心を持たれなかった、ひとたび合格すれば天下に知られる)」と詠っています。これはその後、出世を夢見る若者たちの励みとなりました。
また、「高考」は教育の機会均等の観点から農村部などの受験生に対して、優遇措置を実施しています。彼らにとっても「高考」は夢を叶えるための階段なのです。
「狼パパ」や「虎ママ」の英才教育
ここ数年、中国の「狼パパ」や「虎ママ」が話題になっています。「狼パパ」「虎ママ」とは、厳しすぎる教育パパと教育ママを指します。
最近、中国で人気のテレビドラマ「虎媽猫爸」(虎ママと猫パパ)」もこの教育問題に触れています。女優・趙薇(ヴィッキー・チャオ)が演じる虎ママは、全てを投げうって子供を一流校に入学させます。しかし、この教育方針に反対する優しい猫パパとの間に溝が生じ…。ドラマは全国で好評を博し、多くの母親の共感を呼びました。
「ピアノ王子」 英才教育の成功例
中国の著名なピアニスト・ランランの両親は英才教育に成功した1つ例のです。ランランは中国が世界に誇る若手人気ピアニストで、2008年の北京オリンピック開幕式でも演奏し、中国の「ピアノ王子」と呼ばれています。わが子を世界的なピアニストにするために両親は、どんな英才教育をしたのでしょうか。
英才教育については、中国でも賛否両論あります。教育専門家たちからは、自由を与えた方が子供たちは、その才能を存分に発揮できるという意見も挙がっています。
平凡で幸せな人に
中国では伝統的な「望子成龍、望女成鳳(男の子は龍、女の子は鳳凰のように出世する)」という夢をかなえようとする親もいますし、一方で、子供を英才教育から解放し、幼少期を存分に楽しみ、将来、平凡で幸せな人になってもらいたいという親も増えてきました。
勉強と学業以外の色々な経験の両立。友情を築き、甘酸っぱい初恋を体験し、前途洋々たる未来へと踏み出す。そんな感受性豊かな経験が、青春時代の色鮮やかな思い出を作り上げるのでしょう。
番組の中でお送りした曲
1曲目~ 読書郎(読書郎)
1940年代に流行った童謡。雨にも風にも負けず勇んで学問を身につけようという、登校途中の男の子の心情をつづったものです。中国人なら誰でも一度は耳にしたことがある曲です。
歌詞:
小児郎
かばんを背負って学校へ
かんかん照りなんて
どうってことないさ
風に吹かれても雨に打たれても
へっちゃらさ
なまけものと
先生に叱られるのが怖いから
勉強しなければ
親に合わせる顔がないのさ
2曲目~ ピアノ独奏曲「保卫黄河(黄河を守れ)」
中国のピアノ王子・ランランが奏でたものです。彼の柔軟で早い指づかいの魅力を味わうことできます。
3曲目~ 「匆匆那年(過ぎ去ったあの頃)」
歌はフェイ・ウォン。同名映画「匆匆那年(過ぎ去ったあの頃)」の主題歌で、映画は1990年代末から2000年代初めの高校から大学時代の青春を描いたものです。当時の中国は、建国50周年を祝い、新世紀を迎え、オリンピック開催決定に沸いた時代でした。映画は1980年代生まれの人たちから高い共感を呼びました。
歌詞
過ぎ去ったあの頃
あっと言う間に過ぎ去ったあの頃
私たち 何回もさよならをしたのに引きずっている
残念だけと 愛は一時の愛情じゃない
あっという間に過ぎ去ったあの頃
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