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ナビゲーター 黄競
首を長くして待ちに待った。東よりの風が吹き始め、春の足音が近づいてきた。全てが蘇ったばかりのように、気持ちよさそうに目を覚ました。これは20世紀前半に活躍した中国の散文家・朱自清の有名な散文「春」の一部です。まさに春が始まったばかりの中国北方地域の情景を表現したかのような作品です。今の北京のようでもあります。今回の中国メロディーは、春にかかわる音楽をお届けしましょう。
春の足音
春分の日が過ぎると、江南地方の春は本番を迎えます。青空の下あちこちで黄色い菜の花が咲き、田んぼや丘一面が黄色に染まる風景は圧巻です。一方、山と水の織り成す江南地方とは異なり、北方の広々とした野原の風景はまだ早春の景色です。雪が解けて大地に草が芽生え、木蓮の花が咲き始めます。畑では農家たちが田畑を耕し、種蒔きを始めます。農家にとって春の作業は1年で最も大切で、この時期は豊作の希望を蒔く季節です。
麗らかな春に花が咲く
もしあなたが水を一滴欲しいなら 私は一面の海をあげたい
もしあなたが楓を一枚摘みたいなら
私は楓の林と空いっぱいの雲をあげたい
もしあなたが微笑んでほしいなら 私は燃え上がる想いを伝えたい
もしあなたが共に歩む人が必要なら 私は共に未来まで歩んでいきたい
これは名歌手・ナーインが歌った「春暖花開(麗らかな春に花が咲く)」の歌詞の一部です。この歌は2013年の国民的お正月番組「春節の夕べ」で歌われた後、お茶の間で人気を博しました。実は、この美しい歌の背後には人を感動させる物語があります。
2012年5月、黒竜江省の中学校の若い女性教師・張先生は数人の生徒と共に学校を離れた後、暴走するバスから、生徒たちを救うために自分が犠牲となって車の下敷きになりました。張先生はこの事故で両足を失いましたが、彼女は「最も美しい女性教師」と讃えられています。「春暖花開(麗らかな春に花が咲く)」は作曲者がこの最も美しい教師のために創作した愛の賛歌です。
麗らかな春に花が咲く これが私の世界
心に湧き上がる愛で 満開の花が咲く
吹き渡る風は 空のささやき
幸せは ずっと私たちと共にある
歌詞にあるように、この最も美しい女性教師の心はまるで麗らかな春のようで、彼女は愛で生徒の心の中に花を咲かせました。
海に向かい 心和む春を迎える
明日からは、幸せな人間になろう
馬を飼って、薪を割って、世界を回ろう
明日からは、親しい人一人一人に便りを出そう
皆にわたしの幸せを伝えるんだ
あの幸福の稲妻が、わたしに教えている
一人一人に知らせよう
川や山に、あたたかい名前をつけよう
見知らぬ人よ、わたしもあなたのために祝福しよう
願わくは、あなたが現実の世界で幸せを得ることができるようにと
わたしはただ、海に向かい、心和む春を迎えることさえできればいい
これは80年代の詩人・海子の詩「面朝大海 春暖花開(心和む春)」です。自由で平凡な生活、暖かい家族の愛と友情への憧れを表現しています。若い詩人はこの詩を作った2カ月後に自らの命に終止符を打ち、夢の中の理想郷を探しに天国へと旅立ちました。彼が残したこの詩の素朴で温かい言葉は、読む人の心の中に永遠の春を連れてきました。
番組でお送りした曲
1曲目~ 春天来了(春がやってくる)
この歌は蒙古族の民謡です。
雪の花がひらひらと舞うのはもう過去のこと
身を刺すような冷たい風は止み、あっという間に春になる
南から飛んできたオオガリよ
北方の美しい景色まであと少し
2曲目~ 春暖花開(麗らかな春に花が咲く)
もしあなたが水を一滴欲しいなら 私は一面の海をあげたい
もしあなたが楓を一枚摘みたいなら 私は楓の林と空いっぱいの雲をあげたい
もしあなたが微笑んでほしいなら 私は燃え上がる想いを伝えたい
もしあなたが共に歩む人が必要なら 私は共に未来まで歩んでいきたい
麗らかな春に花が咲く これが私の世界
心に湧き上がる愛で 満開の花が咲く
吹き渡る風は 空のささやき
幸せは ずっと私たちと共にある
3曲目~ 等待(待ちつづけて)
歌は愛への執着を歌いあげ、愛の永遠の春を望む気持ちを表しました。
僕はなぜ何故まだ待っているのか
これまで愛し合ってきたから
僕の愛はもう止められない
どこへ行っても夢の中には君が現れる
共に永遠の春を迎えよう
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