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夏の少数民族音楽―貴州編

2013-07-26 14:43:52     cri    


                               ナビゲーター 黄競

 7月下旬、中国各地では夏の音楽祭が開かれます。蒙古草原では、草原音楽祭。上海ではクラシック音楽祭。ジャンルは違っても、人々の夏の楽しみです。前回の中国メロディーは夏をテーマに、新疆ウィグル自治区の伝統文化と音楽を紹介しました。今回は中国西南部・貴州省の少数民族の夏の音楽を楽しみましょう。

中国西南部の秘境―貴州

 貴州省は中国西南部の内陸部に位置し、省内は殆どが標高1000メートル以上の山地です。また、晴れた日が少なく、曇り空が多いため、「天に3日の晴れ間なく、地に3畝の平地なし」と言われます。ここには昔から、ミャオ族、プイ族、トン族、イー族など多くの少数民族が暮らしています。これらの民族の間に伝えられてきた多くの美しい民謡は「中華民族の音楽宝庫」と呼ばれることもあります。

ミャオ族の夏の祝日―採花山

 貴州省東南部に住むミャオ族は自由恋愛の民族で、毎年旧暦5月に紅河の南岸で盛大な「採花山」というイベントを行います。若者たちは蘆笙という民族楽器を吹き、娘たちは華麗な銀飾りと豪華な刺繍の衣装をきて踊ります。この時に若者は好きな娘を見つけたら、ミャオ族のラブソング「遊方の歌」を歌い、娘を誘います。娘にも若者を思う気持ちがあれば、「遊方の歌」で若者に応えます。「遊方の歌」のほかにミャオ族の民謡には、飛ぶ歌と書く「飛歌」や「酒の歌」という2種類の民謡があります。

イー族の楽しい田植歌

 5月の初めごろ、貴州省では田植えが始まります。この時期、イー族の人々は総出で、田植えをし、一年で一番忙しい時期を迎えます。歌好きなイー族は田植えの時に双方が一問一答形式で歌う「対歌」を歌う習わしがあります。イー族の村のあちこちでは、田植えの楽しい歌声が響き渡ります。

盛大な松明祭

 毎年、旧暦6月24日から26日にかけてイー族の人々は盛大な松明祭りを行います。祭りの期間、村村の老若男女は晴れ着を着て、村の広場に集まり、年に一度の松明祭りを祝います。昼には闘牛、レスリングなどの催しがあり、広場はとても賑やかになります。夜には松明を点し、塔のような形にしたたき火を囲んで皆が歌いながら踊り、おおいに盛り上がります。

金木犀が咲き、高貴な人来る

 プイ族は貴州省の西南部に暮らしています。地元には貴重で美しい景色が多いことからナチュラルガーデンと呼ばれています。特に白水河の畔の「黄果樹大瀑布」はアジア最大の滝で、世界自然遺産候補とされています。毎年金木犀の花が咲く9月頃、黄果樹大瀑布は一年中で最も美しい季節を迎えます。プイ族の娘たちは美味しいお酒で遠方からのお客さんをもてなします。

 番組の中で取り上げたのは「飛ぶ歌(飛歌)」、「对面坝上姑娘多(向うの田圃に娘が多い)」、「火把节之夜(松明祭りの夜)」、「桂花开放贵人来(キンモクセイが咲き高貴な人来る)」の4曲でした。

 1曲目 飛歌(飛ぶ唄)

 この唄はミャオ族の民謡です。飛歌は伝統行事を行う時、あるいはお客さんを迎える時に歌われる唄です。ミャオ族の村ではこの「飛歌」がよく聞こえてきます。その高らかな歌声は、山々によく響き渡り、不思議な魅力に満ちています。

 2曲目 对面坝上姑娘多「(向うの田圃に娘が多い)

 曲はイー族の若者たちが田植えをしながら歌う青春の活気に満ちている場面を描きました。また、娘たちも若者たちに負けず歌う青春の歌声は若者たちの心を搔き乱します。

 3曲目 火把节之夜(松明祭りの夜)

 曲は三つの部分からなります。冒頭部分はイー族音楽の特色あるゆっくりした調子で人々をイー族の美しい静かな村に誘います。続いて曲は軽快なメロディを奏で、イー族の人々が松明を持ちながら、歌ったり踊ったりする楽しい場面になります。曲の最後では、松明祭りのムードは一段と盛り上がっていきます。

 4曲目 桂花开放贵人来(キンモクセイが咲き高貴な人来る)

 この曲はプイ族の民謡です。

 歌詞

 金木犀の木が岩から生え、

 金木犀の花が高貴な人来るのを待っている

 高貴な人が来て、金木犀が咲き、

 金木犀が咲き、幸福が来る

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