首都博物館そのものは、1981年に北京孔廟の一画に設けられました。孔廟については、すでにこのコーナーで取り上げました(2006年11月22日)。しかし、文化の中心・北京を広く知らせるため、北京市が全力をあげて建設、この場所に引越してきました。
副館長の姚安さんによれば、博物館の理念は、人と文物を基本として、過去と未来、歴史と現代、そして芸術と自然を調和させることだそうです。姚安さんは四合院、胡同など北京らしい庶民文化を伝えるよう努力したと強調しました。国家博物館をはじめ、内外の主な博物館も見学して、どんな特色を出したらいいか研究しました。
建物は地下2階、地上5階建てです。5階建てといっても、中央部は吹き抜けになっており、エスカレーターで通じているので、実感がわきません。どの階のロビーも外の光が入るように作られています。
まず、訪ねたのは「京城旧事」、つまり老北京民俗展の部屋です。荷物を荷車で運んでいるにぎやかな模型があります。嫁入りを前にした行列だそうです。いまも北京では何台もの車を連ねて結婚式に向う光景が見られますが、その名残があるのでしょうか。
子供の遊び道具がいっぱいあります。日本のコマに近いものもありますが、中国独特のものがたくさんあります。いまでは、こうした遊びはほとんど消え去っています。
薬や布地の店の看板がぶら下がる商店が並ぶ古い北京の下町の様子も再現されています。
古代の芸術品、仏像も数多く展示されています。各フロアには記念品や北京に関する書籍売り場があり、これを見ているだけでも飽きません。
昨年の来場者数は80万人。もっとたくさんの人が来てほしいと、姚安さんはメッセージを寄せました。(文:吉田明、写真:斉鵬)
所在地:北京市復興門外大街16号
電話:63370941
ホームページ:www.capitalmuseum.org.cn
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