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邵春亮さんと少数民族の学生

2012-02-24 11:27:38     cri    

 中国北方の遼寧省大連市には邵(しょう)春亮という先生がいます。古稀を過ぎても23年間の教師生活は一日のごとく、口数が少なくても、自分の心血を教え子の少数民族に注いでいます。邵春亮さんは大連理工大学少数民族予備クラスで教えています。

 中国には漢族のほか55の少数民族がいます。少数民族の子供を一般の大学の生活に適応させるため、各地の民族学院や中等専門学校、成人大学に少数民族予備クラスが設けられています。今年74歳の邵さんは大連理工大学電気通信学院の教授で、1986年から現在まで、民族予備クラスで教鞭をとっています。

 邵さんの話によれば、中華民族の全般的な進歩のためには、まず、教育を強化しなければならず、特に、少数民族の教育が差し迫って強化していく必要があるということです。中国西部のトルファンの葡萄棚の下から天山のふもとの牧場まで、勉強したい少数民族の学生が遠く離れた東北の沿海都市・大連を訪れています。新しい都市、新しい学校、初めて大連に来た少数民族の学生にとって、すべては未知の世界となっています。しかし、ここで、学生は家族のような暖かさを感じています。これについて蒙古族の学生の白洋さんは記者に対し次のように語りました。

 「初対面のとき、邵先生はわたしをすぐ見分けました。学校が始まった日、わたしが教室に入るとすぐ、邵先生はわたしの名前を呼んでくれたのです。また、わたしの手を握って、列車で来たのかなどいろいろ話しかけてくれて、本当にうれしかったです。実際、先生がわたしたちが学校に来る前、学生一人一人のデータを詳しく見ていたので、すぐにわたしの名前がわかったわけです」

 普段、夜が明ける前に、邵さんは家のある南山から北山にある学生の寄宿舎へ出かけて、自ら学生たちを起こすと、一緒に走って体を鍛えています。そして、正午、邵さんはイスラム食堂で学生たちと食事をしながら、話しあいます。夜は、学生が寝静まってから、やっと安心して家に帰って行きます。こうして、23年が経ていたのです。

 さらに学校が休みに入り、学生が実家に戻るとき、邵さんはいつも、駅や空港まで見送りました。多くの学生は家に帰るのに、列車で3日もかかるそうです。そのため、邵さんは学生が途中で食べる食べ物を差し入れています。蒙古族の学生の項雲さんはこれについて、「わたしたちが家に帰るとき、先生はいつも、朝早く駅へ見送りに駆けつけてくれました。そして、途中で食べる食べ物やミルク茶などをくれるのです。ミルク茶は保温瓶に入れているので、なかなか冷めません。しかも、どの学生にも一瓶ずつくれるのです」と話しました。

 邵さんはまるで父親のようにこれら少数民族の学生に愛情をそそぎ、親族のような人だけではなく、人生の指導者でもあり、学生たちに将来の進路にも力を貸しています。

 邵さんは毎日朝、教室へ行って、その日のニュースを話し、学生たちに国内外の大きな出来事を伝えます。去年、四川大地震が起きたときは、邵さんは涙を流しながら、学生たちに話しました。

 ロシア族の学生の吴嘉锟さんは、「地震で一部の生徒は自分の身の危険もかえりみずに、クラスメートを助けたことを話したとき、先生は泣いていました。これを見て、私たちの心も締め付けられて、涙がこぼれてきました。先生はまた、少数民族と漢族が、互いに支えあう出来事を話してくれました。わたしたちはやすらぎと親しさを強く感じました」と話しました。 

 邵さんは少数民族予備クラスの先生を務めると同時に、電気通信学院の「電気回路原理」という科目を教えています。電気回路の基礎はそれ自体特に面白みのないものです。しかし、邵さんの授業は学生に人気があります。邵さんは、「少数民族の学生たちはかわいらしく、しかも聡明だ。教師として努力しないと、クビになってしまう」と言っています。邵さんはまた、「学生たちと一緒にいるのは楽しい。わたしの仕事は平凡ですが、もっとがんばっていきたい」と話しています。

 邵さんは、また、「自分の力で出来ることなら、出来るだけやっていく。 人生において、小さなことでも、全力を挙げてやって行けば、喜びになるでしょう」と話しています。王啓さんは邵さんのことについて、「そのたゆまずに、がんばる精神が得がたいものだ。毎日朝早く、夜遅くまで、学生たちと一緒にいることは誰にとっても、大変なことだと思う。しかし、邵さんはできた。しかも20年間も一日のごとくやっている。非常に責任感のある人だ。どんなことをやっても、いつも変わらない。また非常に親切だ」と話しました。

 邵さんは少数民族の学生を自分の子供のように大切にしてきました。これについて中国北方少数民族文化圏旧基地発展委員会のアイシンカクラ主任は次のように話しています。

 「邵さんは真の教育とは愛情であると言っている。邵さんは自分の愛情をすべて学生に注ぎました。邵さんの少数民族の教え子の人数は約600人になりますが、そのうち、エンジニアになった人もいれば、公務員、社長になった人もいます、これまでの23年間で、邵さんの髪の毛が白くなりましたが、学生に対する気持ちはまったく変わっていません」

 邵さんは、学生たちと一緒にいると、仕事へのやる気がぐっと高くなります。若者は希望に満ち、あらゆる困難を克服することが出来ます。教師として、彼らのために汗をかくことは 当然のことだということです。

 背が高く、肩が広く、もみ上げが白くなった邵さんはキャンパスの中に立って、緑の芝生と咲き誇る花々を見つめながら、民族予備クラスの教師を最後までやっていくと力強く語りました。(トウエンカ)

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