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三つのタマゴ

2011-03-31 10:54:31     cri    



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 今晩は、ご機嫌いかがでしょうか?林涛です  

 例えば、先月の20日には自動車のナンバー規制が実施され、市内を走る車もかなり少なくなりました。それに土木工事がずべてストップされ、主な道路には五輪専用レーンもありますからね。これ以外に、19日には市内と北京国際空港を結ぶ「空港線」やオリンピック公園を南北に縦断する地下鉄の「オリンピック支線」などの新路線も開通してます。またいろいろありますが、特に目立つのが、市内の多くの街路樹の下には花々が植えられ、色とりどりのポスターも人目を引きます。それに各国代表団もすでに北京入りし、選手たちは試合の日を待つばかり。

 で、林涛ですが、試合のチケットは一枚もないので、テレビにかじりつくつもりです。楽しみですね。もちろん、休みの日であれば、それに夕方でしたら、お酒をなめながら試合を楽しむつもり。そのためにも、うまい酒を買っておきました。肴ですが、その日の朝にでも考えましょう。で、この林涛は、ほとんどビールは飲みません。暑い夏でも、中国の蒸留酒である白い酒とかくバイジュ?をのんでいます、時には氷で割ったりしますがね。

 ところで。この番組もスポーツにちなんだ昔話をしたいのですが、あいにく適当なのが見つからず、どうもすみません。で、この時間は中国の少数民族ハ二族につたわる「三つのタマゴ」というお話をご紹介しましょう。

 むかし、むかし、そのむかし。人々がまだものを植えることを知らず、山で草木の実を取って食べ、狩をして獲物を生かまたは火であぶって食べていたころ。

 そして、人も多くなり、いろいろとごたごたも起きるようになった。もちろん、強い頭領がその場にいれば、ことは一応おさまるが、頭領がいないと、ケンカや殺し合いもするありさま。こうして怪我をしたり死んだりするものが多く出た。それに死んだものは化け物となって生きたものを食ったりし、世の中はひどい有様になり、生きていくだけで大変だった。

 これに長い間悩んでいた頭領のモゲンは、ある日、天の神モーミに頼もうと広場に跪き、「慈悲あるモーミさま、わしら下界のものを哀れみ、何とかしてくだされ」と頭を下げて叫んだ。これにモーミは答える。

 「わかった。私は神の鳥に西の遠い山でタマゴを産ませよう。お前はその山に行って三つのタマゴを探しなさい。タマゴには人が入っている。その三人がお前たちのことをうまく始末するのじゃ。お前はタマゴを持ち帰り、その三人を出してやれ。いいか、この三人の言うことを聞けばお前たちの暮らしは落ち着く」

 そこでモゲンは翌日の朝、二人の供を連れて西のほうに向かった。そしていくつかの山を登ったが、タマゴどころか、神の鳥の影さえみつからない。こうして半月が過ぎ、持ってきた食べ物もなくなり始め、三人はへとへとになって一番高い山の中腹にある大きな岩の上で休んでいた。と、そのとき。不意に大きな鳥が山の向こうから飛び立ったのでびっくり。「なんだ!!あ、そうか、あの大きな化け物みたいなのが神の鳥かも知れん」

 と思い、同じように大きな鳥を見てきょとんとしている供を励まし、鳥の飛び立ったほうに向かい、やっとのことで周りを岩で囲んだ鳥の巣を見つけた。そこには大きなタマゴが三つ転がっていた。それは赤、緑と白のタマゴで、喜んだモゲンらはそのタマゴを大事に包み、疲れているにもかかわらず、帰途を急いだ。

 こうしてふるさとに戻ったモゲンは、数羽の雌鳥を捕まえ、これらタマゴを孵そうとしたが、雌鳥はタマゴを見た途端逃げてしまう。そこでモゲンは供を連れてこの三つのタマゴを孵せる雌鳥探しに出かけた。が、みつからない。仕方なくとぼとぼと戻る途中、ある草原で黒い雌鳥を見つけたが、これが使い物になるかどうかわからない。しかし、雌鳥は捕まえなくてもモゲンたちにおとなしくついてくる。

 「あれ?これは・・」とモゲンはその雌鳥を大事にカゴに入れて帰り、早速かの三つのタマゴの前で雌鳥を放した。すると雌鳥はコッコッコと鳴いてから、まずは赤いタマゴの上にちょこんと乗り、タマゴを孵すためか、お腹を落とした。そしてしばらくすると緑のタマゴに乗り移り、そのあとで白いタマゴにも乗り移って腹を落とし、かわるがわるタマゴを温めだした。

 こうして一ヶ月以上たったある日、かの雌鳥は自分の仕事を終えたかのように、どこかへいってしまった。そしてその日の昼過ぎ、三つのタマゴから三人の男が出てきた。

 これにみんなはびっくりしたが、モゲンから話を聞いているので、黙ってみていると、モゲンが三人に聞き始める。

 「あんたたち、いったい何ができる?」

 それに男が一人一人答える。

 「私はみんなのことをまとめ、いいか悪いかを判断できる。私は頭だ」

 「私は魔除け師。化け物や病を消す」

 「私は大工だ。道具を作ったり家を建てたりする」

 これをモゲンやみんなは受け入れ、そのときから頭、魔除け師と大工の三人は仕事を始めた。頭は毎日。是と非をはっきり分け、きちんと事を運ぶよう人々を諭したので、ケンカや殺し合いは少なくなった。魔除け師は、毎日、化け物退治に出かけ、また人々の病を治した。そして大工は、のこぎり、斧、刀道具などいろいろと作り、人々の家を建てたばかりか、畑仕事まで教えたのでみんなの暮らしはよくなった。こうしていやなことや災いも少なくなり、穏やかで豊かな日々がきた。

 それから長い月日が過ぎた。もちろん、下界には災いがなくなり、豊かで平和だったので、かの頭、魔除け師と大工はかなり暇が日々を送っていた。そこで人々は彼らにはもう用はないと思い始め、なんと「余計なものは出て行け!」と三人を遠いところに追い出してしまったワイ。

 こうなると、なんと昔のように人々は食い物やほかの事で言い争い、ケンカをまたはじめだし、殺し合いまでもしでかした。そのうちに今日はこちらの者たちがあちらの者たちを攻め、明日はあちらの者たちがこちらを攻めるという具合に、下界はまた乱れ、ひどい日が続いた。その上、殺されたものが変わった化け物もまた暴れだし、多くの人が食われ、病もはやり、たくさんの人が死んだ。おまけに多くの道具が壊され、町や村がめちゃくちゃになっても誰も直せない。このことから人々は、これはかの頭。魔除け師と大工がいないからだと悟り、さっそく新しい頭領が騒ぎを起こす連中をなんとか言い伏せ、自分が数人の供を連れて三人の男を捜しに出かけた。しかし、どこにいるのかわからないのでなかなか見つからない。こうしてみんなが困っていると一羽のツバメがどこからか飛んできて人間の言葉で頭領にどうしたのかと聞く。これに頭領は驚いたものの、ことがことなので、訳をツバメに話した。するとつツバメは、自分が探しにいくとどこかへ飛んでいった。しかし。ツバメはその日だけでなく、次の日もその次の日も帰ってこないので、頭領や人々は困り果て、仕方なく、ツバメを待つことにした。

 それから一年がたったある日、かのツバメが戻ってきて頭領にいう。

 「あの三人をみつけたよ」

 「そうか。よかった、よかった。それで三人はどこにいるのかね?」

 「それが遠いんだ。探すのが大変だった。実は三人はあのお日様が沈むところ近くに住んでいるんだよ」

 「お日様は沈むところの近くに?」

 「うん、ここから、そうだね。歩いて数ヶ月はかかるよ」

 「へえ?まあいい、そこで三人はそこで何をしてるんだい?」

 「三人はそこで楽しくのんびりと暮らしてるよ。家はあるし、田畑もあり、食うこと、着ることも困らないし、そこを離れたくないみたいだ。それにあんたたち三人を怒らしたみたいで、みんなのところには戻りたくないとさ」

 「そ、そうか。あれはわしらが悪かったんだ。あの三人がいなくなったからというものこちらは大変だ。どうだいツバメ、わしらに代わってお詫びに行ってくれるかい?」

 「それは無理だ、あの調子だとあんたたち自分で謝りに行ったほうがいい。これ以上、私は手伝えないよ」

 「そうか。それもそうだな。自分たちでしておいて人に頼んで謝ってくれなんで調子がよすぎる」

 「じゃあ、これで戻るからね」とツバメはどこかへ飛んでいった。

 こうして、次の日、頭領は数十人を連れ、お土産などをたくさん持って出かけた。そしてなんと半年すぎてから、やっと三人の住むところにやってきた。

 そしてみんなは、自分たちの過ちを正直に認め、今の苦しみを言い、どうか戻ってくるようにと心を込めて頼んだ。

 ところが、三人はそうたやすくうなずかない。

 頭はいう。

 「私は神の指図があってあんたたちのところに行ったんだ。やったことすべては神に言いつけのまま。かなり疲れたのに追い出されたのでは、そう簡単に帰れないよ」

 魔除け師はいう。

 「私も神の使いでいき、すべてみんなのためにやったのに。もう疲れたよ。それなのに追い出されてんだからな」

 大工も言った。

 「毎日、みんなのために汗水流し、一心にやってきたのになんだい!?」

 これに頭領と人々はうつむいてしまい、中にはすまないことをしたと涙を浮かべるものもいた。すると人々は跪き、「もし、あんたたちが戻らなければ、俺たちは生きていけなくなる。どうか、助けてくださいな」

 これに頭領も涙を流した。

 「どうか、頼む。もし戻らないというのなら、わしらはここで死ぬ!」

 これに三人は心を打たれた。

 「そこまでいうなら・・・。で、以前のように私たちのいうとおりにするか?」

 三人がこう念を押すと人々は「する、する。言うとおりにする」といっせいに答えた。

 「よし。それなら、戻ろう。しかし、昔のように私たちの食うもの、着るものなんかは世話するんだぞ、それに今では私たちは妻も子供もいるんだ。その分まで世話できるか?」

 「わかった。わかった。もちろんだ。世話するよ。世話する」

 「よし。今から戻る支度するから、明日まで待ってくれ」

 これに頭領と人々は大喜び。こうして、頭領たちについてもとのところに戻った。というわけで、頭、魔除け師と大工の三人は以前のようにまじめにそれぞれのやるべきことをやり、悪を懲らしめ、良きを守り、化け物を退治し病をも治し、家を建て直し、いろいろな道具を作り使い、それに作物をまた植えた。そしてみんなは、この三人の言うことを聞き、事を運んだので、世の中は以前のように穏やかになり、豊かになって、人々は仲良く幸せに暮らしたワイ。

 さて、ここはどこでしょうかね?

 そろそろ時間のようです。では、来週またお会いいたしましょう。

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