このスポーツ大会の開幕当日、1万人が収容できる新疆ハミ・スポーツセンターでは花火を打ち上げたり、蛍光棒を振ったりして歓声を上げる人々でにぎわい、優雅な舞踊や高らかに響く歌声の中、大会の幕が開かれました。開幕式では人々を楽しませる出しものが数多く披露されました。
新疆は多民族地域で、各民族の人々が睦まじく暮らし、独特の文化が形成されてきました。民族のスポーツ競技や演芸、舞踊、娯楽が一体に融合され、高い鑑賞性に富んでいます。新疆の少数民族はほとんどが遊牧を中心として生活しており、そのスポーツは大自然や遊牧生活に伴って生み出されました。競馬や羊奪い、アーチェリーなどがもっとも人気のあるスポーツです。今回の競技大会では、高足走りの項目が増設されました。これは元々中国南部や西南部の少数民族地域に流行していた民間スポーツで、北方の高馬はその由来だそうです。
全国民スポーツ大会の正式項目となっている高足競技ですが、今回の大会で初めて目にした人も少なくありません。
アーチェリーはシポ族、ウイグル族、蒙古族などの民族の最も古いスポーツ項目の一つで、新中国成立後、正式に競技項目のリストに組み込まれました。この試合に参加した景軍さんは、「アーチェリー選手は性格が穏やかで、情緒の安定が要求されます。勝負は力によるものではなく、主に腕力の安定性によって決まるのです」と話しました。
羊奪いは対抗性が強く、争奪が激しい試合で、カザフ族やキルギス族、タジク族などの少数民族が得意とする伝統的な馬上団体競技です。個人の熟練した技術が必要とされるほか、団体の密接な協力も必要です。
試合を観戦した馬燕さんの話では、これはカザフ族の勇敢者の遊びで、力の競い合いだけではなく、団結の競い合いでもあります。カザフ族には、「相撲は力、羊奪いは勇気によるもの」だという言葉があります。羊奪いはまさに非常に興味を引き、恐怖感を与える刺激的な競技だということです。
そして、大会では、民間の闘鶏、闘羊、闘犬なども行われ、多くの観衆が引き付けられました。この動物による試合は地元の農村で歓迎され、特にめでたい日や公共の集会場所でよく楽しまれています。
観戦に訪れたの芦修臣さんは「今回のスポーツ大会はわれわれ新疆民族の盛会で、民族間の相互理解が一層強まった」と話しました。
1985年に新疆第1回民族スポーツ大会がウルムチ市で行われた当時は、民族相撲や羊奪い、競馬、らくだ競走などの5項目のみでしたが、今回は12の競技項目に25の小項目が新しく設けられました。(董燕華)
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