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キツネの古里

2010-07-27 10:50:49     cri    


























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 今晩は、ご機嫌いかがでしょうか?林涛です。

 この時間は、キツネにまつわるお話です。題して「キツネの古里(こり)」

 「キツネの古里」

 むかし、むかし、ある若者がいてとても貧しく、ぼろ小屋に住み、自分のものといえば九本のざくろの樹があるだけだった。そこで人々は若者のことをざくろ(石榴)兄さんと呼んでいた。

 当時、ここら一帯には賈財という役人がいて、欲張りで腹黒く、それにずる賢い手下がついているものだから、賈財は貧しい人々を騙したり脅かしたりして、多くの土地や家を自分のものにしてしまい、なんと、ざくろ兄さんのざくろの樹までもほとんど奪い取ってしまった。

 こうしてざくろ兄さんには一本のざくろの樹しか残らなくなった。

 その年は日照りが続いたので、ざくろ兄さんは樹に水をやるため、いつも遠くの川から水を汲んできたりし、この樹を大事に大事にしていた。こうして秋になり、樹には見事なざくろがいっぱいなった。

 と、ある日の夜。樹の近くで休んでいたざくろ兄さんは、何かの獣がこっそりと樹に近づき、ざくろを盗もうとしているのに気づいた。そこで兄さんは、静かにそのものに近づき、これをすばやく捕まえた。が、捕まえた途端、それが一人の若者に変わってしまったのだ。ぎょっとした兄さんが思わず手を離すと、その若者は急に跪き、「ざくろ兄さん、お許しください。私も好きで兄さんのざくろを盗みにきたわけではありません。どうかお許しください」

 これにざくろ兄さんは驚き、月の光をかりて相手を見ると、それは、ぼろぼろの服をまとい、腹をすかせて頭がふらついている若者であったので、心の優しいざくろ兄さんは、いくらか気の毒になり、「よし!今日だけは許してやる。その代わりこれからは人のものを盗んじゃ駄目だぞ」といって、一つのざくろをもぎ取り若者に与えた。これに若者は驚き、ざくろを受け取ると、頭を下げてどこかへ行ってしまった。

 で、ざくろ兄さんは、それからはざくろを食べたり、野生の果物を口にしたり、または力仕事をしてから食べ物をもらったりして何とか日々を凌いでいた。

 次の年のある日、ある若者が自分のぼろ小屋に訪ねてきた。そこで誰だろうと小屋をでてみると、相手は不意に跪き、ざくろ兄さんに一礼してからいう。

 「兄さん、私を覚えていますか?」

 「え?覚えているかって?」と兄さんが、相手を見つめ顔をしかめた。

 「忘れたのですか?去年のあの晩、兄さんのざくろを盗みに来たものですよ」

 これを聞いてざくろ兄さんは、しばらくぽカーンとしていたが、そのうちに思い出し、「そ、そうみたいだね。ま、ぼろぼろのところだが中へ入ってくれ」と若者を小屋に入れた。

 「兄さん、あのときがありがとう」

 「いやいや、去年は日照りがひどかったので、みんながひどい目にあったからな。それでいまは何をしてるんだ?」

 これを聞いて若者は、恩人であるざくろ兄さんに、自分は修行を重ねたキツネで古里といい、去年のあの日は食べるものがなくなったので、何か食べようと思ってさがしたところ、ざくろ兄さんのざくろが見事になっているのを見て、ざくろでもいいやと盗もうとしたところをみつかり、腹が減ってめまいがしていたものだから、逃げる力もなくなり捕まってしまったことを話した。

 これにざくろ兄さんがはじめは驚いたが、そのうちになんとも思わなくなり、その上、親しみをも感じ始めたので、一緒に住もうと話が決まった。もちろん、気の優しいざくろ兄さんと一緒に暮らせるとあって古里は大喜び。そしてその夜、古里が聞いた。

 「兄さん、どうしてお嫁さんをもらわないのだい?」

 「え?なにをいう。こんな貧乏な野郎の元に来る娘なんかいないよ」

 「なにいってんだい。男前で気が優しく、また勇気のある兄さんにはきっといいお嫁さんがくるから」

 「じょうだんはよせ」

 「よし、私が何とかしよう」

 「え?古里が」

 「うん、任しておきな」

 ということになり、その日は寝た。実は古里は自分を逃がしてくれ、ざくろまでくれたざくろ兄さんに感動し、兄さんに必ず豊かな暮らしを送ってもらおうとやってきたのだ。

 次の日、古里はちょっと出かけると朝早くからどこかへ行ったしまった。

 と、その日の午後、立派な服をまとった古里が、胸を張って王宮を訪ね、国王の召使いに会いたいという。これを見て番兵は古里の身振りなどに気おされてしまい、中に入って老いた召使いを呼んできた。

 「なんですかな?私に何か用かな?」

 「これは、これは。実は私は古里ともうしましてな。近く、兄が金蔵を始末したいと申し、大きな金塊や銀塊などは自分が残すが、細かいのは貧しい人々にくれてやろうというので、今日、このように私が王宮に篩(ふるい)を借り来ました」

 これに召使いは驚いたが、こんな金持ちをほったらかしておくのはもったいないと、「そうでござったか。篩は喜んでお貸しいたしますぞ」と答えた。

 こうして半月がたったある日、古里はこの前より立派な服をまとい王宮に篩を返しに来た。

 こちら召使い、戻ってきた篩にまだ細かい金と銀の小粒が多くついているのを見て、「ああ、古里どの。篩にはまだ小粒がたくさんついておりますぞ」

 「ああ。そんなものは一つ一つ片付けるのが大変でなので、いりませんよ。よかったら、あなたの下のものにやってください」

 これを聞いて召使いはいくらか舌を巻き、この金持ちと知り合いなろうと考え「どうですかな?古里どの。お閑であれば、中でお茶でも」と勧める。これに古里は、「そうですな、では」と王宮に入り、お茶をご馳走になった・

 「古里どの。あなたの兄とはどなたですかな?」

 「兄ですか?兄は、兄は石笠と申し、ざくろ(石榴)王とも呼ばれ、もう三十近くになりますが、どうも大金持ちの娘でないと嫁に出来んと、いまでも一人でしてな」

 「ほう、大金持ちの娘ねえ」とうなずいていた召使い、「しめた!これで姫さまの夫が見つかるかもしれん」と思ったのだ。

 実は、国王にはこの年二十七になる姫がいたが、この姫は王族の息子や金持ちのどら息子は、だらしがないとじぇんじぇん興味がなく、これまで姫を嫁にくれという相手はかなりあったが、すべてうまく行かず、それが長引き、国王も悩んでいたのだ。

 「その人が、貧乏ではなく、また正直者であればいつでも嫁に行きます」と姫は言うが、そんな若者は簡単に見つかるものではなく、家来の自分としても何とか早く姫を嫁に行かせねばと、常に国王と共に頭を痛めていたのである。

 「そうでござるか。で、失礼じゃが、兄上とはどんな人かな?」

 「それは心が優しく、人思いの方でござる」

 「そうでござるか・・・」

 こちら古里は、相手が話しに乗るかもしれないと思っていたので、黙ってお茶を飲み、知らん顔をしていた。

 すると、召使いは何かを決心したように、目を大きくし古里に言う。

 「古里どの。実は国王の姫さまは、今年で二十七になられるが気に入った相手がいないといまでも一人でおられましてな。姫さまは、相手が貧乏ではなく人がよければよいと申されるが、そのような方はなかなか見つかりま せん。つまり・・どうでしょうかな?」

 「それはよい話ですね。相手がお姫様とくれば、兄も必ず喜ぶでしょう」

 「そうでござろう。で、姫さまとあんたの兄上を夫婦にさせたいのじゃが、これを国王に話せば、国王もそれはいい相手だとお喜びになるに違いない」

 「なるほど、なるほど」

 「そこで、あんたとわしとでことを進めましょうぞ」

 「そういたしましょう。兄のほうは、私が引き受けます」

 「はい。国王のほうはまかしておいてくだされ」

 「では、そういうことで」

 「いかにも」

 ということになり、古里は帰っていった。こうして古里はうれしくなって準備を着々と進め、召使いのほうは、このことを国王にはなす。もちろん、国王はこの召使いを信じきっているので、喜んで「よきに計らえ」とはいわなかったが、早く事を運ぶよう命じた。また召使いがこのことを姫に話すと、姫は相手の人柄を聞き、はにかみながらも首を縦に振った。翌日、古里がまた王宮に来たので、召使いはことの仔細を話し、こうして、吉日を選び、ざくろ兄さんと姫様の式をあげることになった。

 「その人が、貧乏ではなく、また正直者であればいつでも嫁に行きます」と姫は言うが、そんな若者は簡単に見つかるものではなく、家来の自分としても何とか早く姫を嫁に行かせねばと、常に国王と共に頭を痛めていたのである。

 「そうでござるか。で、失礼じゃが、兄上とはどんな人かな?」

 「それは心が優しく、人思いの方でござる」

 「そうでござるか・・・」

 こちら古里は、相手が話しに乗るかもしれないと思っていたので、黙ってお茶を飲み、知らん顔をしていた。

 すると、召使いは何かを決心したように、目を大きくし古里に言う。

 「古里どの。実は国王の姫さまは、今年で二十七になられるが気に入った相手がいないといまでも一人でおられましてな。姫さまは、相手が貧乏ではなく人がよければよいと申されるが、そのような方はなかなか見つかりま せん。つまり・・どうでしょうかな?」

 「それはよい話ですね。相手がお姫様とくれば、兄も必ず喜ぶでしょう」

 「そうでござろう。で、姫さまとあんたの兄上を夫婦にさせたいのじゃが、これを国王に話せば、国王もそれはいい相手だとお喜びになるに違いない」

 「なるほど、なるほど」

 「そこで、あんたとわしとでことを進めましょうぞ」

 「そういたしましょう。兄のほうは、私が引き受けます」

 「はい。国王のほうはまかしておいてくだされ」

 「では、そういうことで」

 「いかにも」

 ということになり、古里は帰っていった。こうして古里はうれしくなって準備を着々と進め、召使いのほうは、このことを国王にはなす。もちろん、国王はこの召使いを信じきっているので、喜んで「よきに計らえ」とはいわなかったが、早く事を運ぶよう命じた。また召使いがこのことを姫に話すと、姫は相手の人柄を聞き、はにかみながらも首を縦に振った。翌日、古里がまた王宮に来たので、召使いはことの仔細を話し、こうして、吉日を選び、ざくろ兄さんと姫様の式をあげることになった。

 そして古里はことを細かくざくろ兄さんに話したあと、驚く兄さんを置いて自分は王宮に向かった。こちら国王は姫がざくろ兄さんに嫁ぐので、民百姓は,その日の行列の妨げにはなってはならず、道の両側でこれを恭しく迎えろというお触れを出した。

 さて、その次の日、古里は、怪訝な顔をしている兄さんにおとなしく待っているよう念を押してから、自分はまた王宮に向かった。

 で、こちら嫁に行く姫の行列は、銅鑼や太鼓、それにおめでたい調べに送られ、前に兵士たちが歩き、周りに多くの宮女がつきそい、ぞろぞろと王宮を離れた。もちろん後ろからは古里と老いた召使いが馬に乗って付いていく。

 こうして途中まできたとき、古里が召使いにいう。

 「私は急用を思い出したので、先に行って兄の屋敷で待っておりますぞ!」と馬を走らせて行ってしまった。実は古里は、ざくろ兄さんから話を聞いていたかの賈財という役人の屋敷に入り、キツネに戻って暴れだした。そこで屋敷のものが捕まえようとしていると、かの役人が出てきたので、古里が大声でいう。

 「無礼者が!すぐに災いが降ってくるというのにわからんのか!」

 これを聞いた役人、キツネが人間の言葉をしゃべりだしたのでびっくり。

 「あなたさまは、神でござるか?」

 「いかにも。もうすぐ国王のお姫様が嫁ぐ行列がこの屋敷の前を通る」

 「そ、それは、お触れを見てわかっておりますが」

 「国王は特別にお前に姿を隠すよう命じられた」

 「なんですと?」

 「信じないのなら、これをみよ」と自分が勝手に作り出したお触書を役人に見せた。

 これを見た役人、「では、私はどこに姿を隠せばよいのですか」ときく。

 「お前は、腹心と共に、近くの井戸に身を隠すのだ」

 そこで役人はかのずる賢い手下と共に、近くの深い井戸に入った。すると古里はその井戸の口をとても重い岩で塞いでしまった。

これを見た屋敷のものたちは、主人らが井戸の中に生き埋めにされたようなので、驚きおののき、私らはどうします?!とあわてて聞く。そこで古里は答えた。

 「今日からこの屋敷の主はお前たちも知っているだろうが、かのざくろ兄さんだ。それがいやというなら、井戸のなかだぞ」

 屋敷の者たちはすぐに跪き、「あなたの言うとおりにいたします。今日から私たちの主はざくろ兄さんです」と口々に答えた。

 そこで古里はかのぼろ小屋に戻り、ざくろ兄さんに立派な服を着せて役人の屋敷に連れてきた。もちろん屋敷の玄関の表札は、元の「賈府」から「石榴王府」に変わっている。

 やがて姫の嫁入りの行列が着いた。

 「ほう、立派なお屋敷でござるな」と老いた召使いの言葉に姫も一安心。そこに立派な服を着たざくろ兄さんが出迎えたので、姫はざくろ兄さんを見てその人柄がすぐにわかりにこっと笑い、こちらざくろ兄さんも美しい姫を見て顔を赤らめた。

 こうして、ざくろ兄さんは古里に言われたとおりに事を運んだので、式はめでたく終わり、姫付きのものを除く宮女や老いた召使いと兵士たちは王宮に戻っていった。

 さて、その日の夜、古里がざくろ兄さん夫婦の部屋に現れ、これで自分の役目は果たしたといって、「兄さんと義姐さん、いつまでもお幸せに」という言葉を残して姿を消してしまった。これに姫は驚いたので、ざくろ兄さんがことのいきさつを細かく話すと、心の優しい姫はこっくりうなずき、自分が騙されたことなどには少しも怒らず、夫であるざくろ兄さんと幸せに暮らしたという。

 もちろん、ざくろ兄さんは、この屋敷の主になってから、以前にかの役人が人々から奪い取った土地やものをすべて持ち主に返したわい!

 そろそろ時間のよです。では、来週またお会いいたしましょう。

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