会員登録

小麦粉で作った人形・「麺人」

2009-10-28 09:56:45     cri    

 中国の北方は小麦粉の一大産地で、豊富に刈りとられた小麦が「麺人(『麺塑』とも言う)」の原料になっています。「麺人」は、旧正月や中秋節、結婚式といったお祝い事などで、庶民の生活にずっと寄り添ってきました。平凡な村で農家の女性たちの手で作られてきて、飲食と芸術の接点となってきたのです。

 やわらかくこねた小麦粉の団子は、便利で安い材料になります。大人だけでなく、子供たちも、思い思いに団子をこねて人形を作ることができます。民間の芸術家たちは、長い試行錯誤を経て、乾燥した状態を保ちつつ、カビたり変形したりせず、虫食いもしない顔料の配合に成功しました。製作技術のレベルが上がるにつれて、「麺人」は観賞用の芸術品として発展し、いろいろな人物をモデルに作られるようになりました。様々に色づけされた団子は芸術家たちの手で魔法のように変化し、非常に精密な人形に仕上がっていったのです。

 「麺人」の主な材料は、強力粉や、もち米粉、防腐剤、亀裂防止の蜂蜜などです。職人たちは、それらを混ぜて蒸し、色素を加えてから、形を作り上げます。技術の進歩で、現在では数十年から100年間は保存できるということです。

 その主な手法は、捏ねる、つまみ上げる、掻く、抑える、転がす、揉むなどがあります。泥人形との大きな違いは、泥人形は造形後に着色するのに対し、「麺人」は事前に小麦粉に染色し、それを組み合わせていくことです。

 昔、みんなに好まれるモチーフは伝説、戯曲、歴史人物などですが、近年は、「ドラえもん」、「名探偵コナン」など漫画やアニメの主人公に似せたものもあり、とくに子供たちの人気を呼んでいます。

 「麺人」は、世界の「いま」を教えてくれると同時に、中国の伝統文化も語っていくことでしょう。

関連ニュース
文化の流れ
v お茶の種類について 2009-10-21 10:39:43
v 北京の四合院を飾る縁起物 2009-09-16 14:07:37
v 京劇の歴史  Beijing Opera's History 2009-09-02 11:11:21
v 北京の幼稚園児が、『紅楼夢』を出演 2009-08-19 09:17:08
v 中国の伝統工芸・切り紙 2009-06-03 10:54:17
v 研膏茶と蝋面茶 2009-05-27 10:48:38
写真トピックス
コメント
今週の番組
今日熱点
快楽学唱中文歌
特集ダイジェスト
LINKS