北京オリンピックを2年後に控え、北京市政府は、都市全体の改修と建物の新築を急いでいます。それにより、一部の歴史的に価値のあるものを除いて、多くの胡同や古い建物が壊されてもいます。
昔、北京の商業地だった前門地区も、改修の対象となっています。ここは、伝統料理、お茶、薬、衣服などの老舗がいっぱい集っているところです。近年、マクドナルドなど外国のファーストフードの店におされ、経営が落ち込んできた老舗の小吃(軽食)は、今回の大改修で、さらに行き場を無くすことになるようです。前門からの立ち退きが決まった最後の営業日には、もう味わえないと、長蛇の列で名残を惜しまれた店もありました。
幸い、これら小吃の老舗が、北京伝統料理協会から援助を受け、後海に引っ越すことになったのです。
北京の内城に、前門、宣武門、和平門など9つの門があることから、「九門小吃」と名づけられ、後海の四合院に7月6日から正式に開業しました。
小腸陳(陳氏の腸煮込み)、爆肚馮(馮氏の臓物煮込み)、茶湯李(李氏のはったい粉)、豆腐脳白(白氏の豆腐脳)など、前門では個別に経営していた12軒の老舗が一堂に集り、先祖から受け継いだ腕前を披露します。
話を聞きつけた老グルメや近所の住民が駆けつけ、受け付け台には長蛇の列がよくできています。店長によると、営業時間がもともと午後10時までとなっていますが、お客さんのあまりの多さで、食べ物が売り切れて、早めに店を閉めてしまうことがよくあるそうです。
北京の人におなじみの小吃は、「九門小吃」を契機に、復活しました。いつまでも、「北京」が味わえる場所であってほしいものです。
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