発展しつつある中国、その活力、所謂「パワー」はむしろ、この国にいる「人」にあると思います。「チャイナライフ」、今日は中国の活力、チャイニーズパワーの源である人々にスポットを当ててご紹介します。
【中国女性の魅力】
中国の女性は男性よりしっかりしているとよく言われます。昔ながらの伝統思想に影響されて、女性はいくら有能でも、爪を隠し男性の成功を支える「縁の下の力持ち」の役割を果しがちですが、今では、男女差別はだんだんなくなっているようで、女性たちの社会進出もどんどん進んでいます。
CRIでも、女性が男性よりも多いけど、エレベーターに乗ってくる若い女性の顔を見ると、きりっとしている人が多いです。若い時から、しっかり人生見つめて、戦いながら生きてきた女性って印象の人を結構見かけます。もちろん、そうでない人も多いですけど。
21世紀は「女性の世紀」とも言われています。男尊女性の封建思想に根強く影響された中国でも、ここ数年、ますます多くの優秀な女性は政界や経済界に入り、大きな役割を果しています。統計によりますと、いま、中国で閣僚級クラスの政府高官のうち230人以上が女性で、全国600以上の都市には670人の女性の市長や副市長がいます。女性ならではの「親近感」と「柔軟性」は社会や世界に安定と平和をもたらしていると言われます。
最近話題になった、全人代の初の女性報道官、傅瑩さんなどは、その典型的な人ですね。柔らかな物腰と、素敵な笑顔で日本のメディアを魅了し、話題になりました。社会の中で、しっかりと成熟した大人の女性という、中国の女性像が今後、ますます、必要とされてくるでしょうね。
中国では、女性の魅力とパワーは社会や職場で発揮しているだけでなく、家族にも大きな働きを果しています。仕事と育児をうまく両立している女性は大勢いますし、共働きが主流の中国で結婚してから専業主婦になる女性もますます増えているようです。この間、取り上げた、テーマでしたね。一方で、女性の社会進出。一方で家庭を守る主婦への転身。昔と違うのは、どちらを選ぶにしても、自分で考え、自分の意思でその選択をする女性が増えてきているという事でしょうね。
中国版ツィッターのマイクロブログでこのほど行われたあるアンケート調査によりますと、教育レベルが高ければ高いほど、仕事をやめて専業主婦になりたがっている女性の数が多いようです。これら女性の理由については、仕事上、ある程度の自己ベストを実現したので、今度は家庭に戻り、妻、もしくは母親としての成功を果したいというのです。日本でも、同じ傾向はありますね。考えてみると、人類の長い歴史の中のほとんどの時間は、男女の役割分担という夫婦の形で合ったわけで、今の時代の中で、改めて、その意味が問い直されているという側面もありますね。キャリアウーマンにしても、専業主婦にしても、女性としての社会価値や独立性を失わずに家族のために尽くしている奥さんや母親たちは本当に偉いですね。
【若い世代の力】
若者は社会の未来を担っているとよく言われます。若い世代の就職観や価値観の形成は社会全体の雰囲気や経済状況、社会の価値観と密接に関わり、国の発展の方向性にもつながります。いま、中国の若い世代、特に1990年代に生まれた若者、所謂「90後」は多くの注目を集めています。
今の中国では、物質面の豊かさは昔よりだいぶよくなってきましたが、精神面の豊かさはまだまだついて行かないところがあると思いますね。高度成長期で、社会全体の雰囲気がせっかちになっていますが、これも若者の行動に影響を与えているようです。ですから、「90後」の若い世代、一方では精神面の余裕を求めようとしていますが、他方では仕事に落ち着かず、安定感がない一面があるようですね。
日本では、今の若者は就職難の時代が続いているので、一時ほど、マイペースな生き方をする余裕がなくなっているような気がします。一方で、派遣やアルバイトで生活する若者も多く、生活の安定性に欠ける、厳しい現状がありますね。
中国の90後の特徴と言えば、反抗しながら成長してきた世代と言えます。一人っ子の世代、裕福な世代、インターネットの世代、お宅の世代と呼ばれています。貧しさから脱しようと、遮二無二働いてきた親の世代は、この苦労は、子供にはさせたくないと考えます。そうして与えた、子供への環境が、子供をぬくぬく育ててしまうという面と、広い視野や情報に強いという新しい能力を育てた面と、両方あるでしょうね。
親の世代と違って、90後を代表とする中国の若い世代は自分の興味を優先し、仕事への責任感が薄いかわりに、新しい発想やアイディアに富んでおり、想像力が逞しいなどの長所もあります。また、いま、中国では、産業構造は労働力集約型から知識や技術集約型へと変わり、クリエイティブ産業の発展が好調です。若者の将来には、より大きな舞台が待っているようですね。
【中国に生きる外国人の協力】
改革開放政策の実施により、中国はより開放的な姿で世界各地からの人々を迎えています。1980年代、町に外国人が来ると、人に囲まれて珍しげに、みんなに見られましたが、今では、北京や上海のような大都会はもちろん、地方の町を歩いても、外国人に会うのは非常に普通のことです。
では、「イキイキ中国」の最終回、中国に暮らしている外国人の一人として、志摩さんのチャイナライフについていろいろお聞きしたいんです。
★2年近くのチャイナライフ、一番良かったなぁと思われることはありますか。それは何ですか?
志摩:近くて遠かった、中国という国が身近になったという事。誰でも、外国に行けば思う事ですけど、どこに行っても、同じ人間が暮らしているんだと実感できたことが大きい。几帳面さと、おおら かさ、声の大きさの違い、などいろいろ、日本との違いに戸惑う事もあるが、家族を思い、仕事に汗し、子供の成長に一喜一憂し、夫婦げんかをし、また、仲直りをし、という、人間の根っこは同じ。「人類みな、兄弟」そう思えることが、友好につながると実感できたこと。
★ いくら中国で暮らしても、習慣などの違いで未だに慣れていないことがありますか。例えばどんなことですか?
志摩:あまり、いまだになれないという事はない。あえて言えば、なかなか中国語が上達せず、コミュニケーションが、うまくとれないこと。いまだに、一番相手に理解される中国語が(チン・ブ・ドン)というのも、我ながら、情けない。
★ 北京の周辺や中国の地方へ旅行とか出張へ行ったことがありますが、一番印象に残ったところはどこですか。それはなぜですか。
志摩:1976年に大地震に見舞われた、唐山市の印象が一番強い。日本も。東日本大震災を経験しているし、大地震から見事に復興して、美しい街並みを作り上げた唐山市の姿に、感動した。それに唐山市は、外国からの観光客用に、英語、日本語、韓国語で書かれた、260ページもあるガイドブックを作っていて、これを読むと、唐山市の事がとてもよく理解できた。外に開かれた街という印象がとても、強く残っている。
★ 北京の話題に戻りましょう:<志摩さんの北京一番!>
① 北京を訪れる日本の方に、一番お勧めの観光スポットは?
志摩:近くの彫刻公園。いろんな人たちがいろんな趣味を楽しんでいるので、とても、面白いと思う。北京市内の公園に行けば、どこも同じようなものだろうが、杉近くにCRIもあるので、帰りに記念写真を撮ってもらえれば。
② 一番お勧めの北京料理は?
志摩:北京ダックもおいしいけど、火鍋が肉も、野菜も、豆腐も、うどんも食べられて、日本人むきだし、家でも、一番よく作る。
③ 一番お勧めの北京ならではのお土産は?
志摩:食べ物では、正直これといったものがいまだに見つからない。シルクのスカーフとかがきれいなので、よく日本のお土産にする。
★ 中日間の人的交流がますます盛んになり、志摩さんのように中国に来られて仕事する日本人の方も今後どんどん増えると思います。中国に来たばかりの日本人、もしくはこれから中国に来る予定の日本の方に、中国で生きる「先輩」として、何かアドバイスがありますか。
志摩:目線を高くしないで、低い目線で、ありのままに受け取る。というのが大事だと思う。
それぞれの国には、いいところも、悪いところも、当然あるわけで、それを素直に受け入れる事が大事だと思う。
★ 志摩さんにとって、一言でいえば、中国はどんな国ですか。
志摩:成長著しい国。一方で大気汚染のような成長の弊害と、今後向き合わざるを得ない国。
そこでの、知恵と、軟着陸の仕方が世界から注目されている国。
★ 10年後のことを想像すると、志摩さんはどこにいて、何をしていると思いますか?
志摩:日本に戻って、北海道の旭川市という中都市で、その街が元気になるうような活動やイベントのお手伝いをしていると思う。(詳しくは3月28日オンエア最終回の「イキイキ中国」をお聞きください)
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