今月24日、韓国初の女性大統領・朴槿恵(パク・クネ)さんが正式に就任します。男尊女卑の思想に長く影響されたアジア文化圏では、これは非常にめでたいことです。ちなみに、わが日本語部の部長さんも女性です。日本でも現在の総理大臣の安倍晋三さんをはじめ、2世の総理大臣は複数名いますが、女性はまだ、出ていません。野党の指導者には、憲政史上初めての女性党首となったかつての社会党の土井たか子さんなどが有名ですが、全体としては、まだまだ数が少ないです。女性の天皇、女帝は過去8人いますがその多くは8世紀ごろまでの天皇なので、近世になってから、女性がトップに立つという事象は極めて少ないです。一方、中国では、これまで最も有名な女性指導者は唯一の女帝である唐の武則天ですね。ちなみに、清の西太後は国の支配権を握っていたものの、自ら最高指導者、つまり、当時の皇帝に即位したことがないんです。
中国の女性は男性よりしっかりしているとよく言われますが、昔ながらの伝統思想に影響されて、女性はいくら有能でも、爪を隠し男性の成功を支える「縁の下の力持ち」の役割を果しがちです。今では、男女差別はだんだんなくなっているようですが、男性は主役で指導者、女性は脇役で補佐係のような偏見は依然としてあります。社会の中での表だった、男女差別は少なくなっていますが、組織の中で、上に登って行こうとすると、まだまだ、大きな壁があるというのが現実です。それでも、起業する人達には女性が多いですし、目の付けどころが足元を柔軟に見てビジネスに結びつける人が多いのが特徴という感じがします。
でも、世界範囲から見れば、第二次世界大戦後、女性指導者の数がどんどん増えています。1950世紀には1人しかいませんでしたが、60年代は3人、70年代は7人、80年代は11人、90年代は20人を超えました。さらに、21世紀に入ってから、多くの女性は世界の政治、経済界のトップになり活躍しています。資料を調べましたが、意外と多いのです。例えば、
① イギリス女王は言うまでもなく、世界中誰でも知っていると言ってもいいいほどの人物ですね。エリザベス2世ですね。
② ドイツのメルケル首相は2005年11月に首相就任し、2009年9月に再任を果しました。
③ アルゼンチンのキルチネル大統領はかつてアルゼンチンの大統領夫人、つまりファーストレディーでしたが、アルゼンチン史上初めてファーストレディーから大統領に変身した人物です。
④ アフリカのリベリアでは、2006年1月16日に、アフリカ初の女性大統領が誕生しました。名前はエレン・ジョンソン・サーリーフです。しかも、彼女は国民投票によって選ばれた大統領ですよ。
⑤ 南アメリカの大国、ブラジルでは、2011年1月1日、ルセーフ大統領が正式に就任し、ブラジル史上初の女性大統領になりました。
⑥ そのほか、リトアニアでは2009年5月17日に初の女性大統領が誕生し、クロアチアでは2009年7月3日、初の女性首相が就任しました。さらに、オーストラリアのギラード首相や、IMF・国際通貨基金のラガルド総裁、そして、アメリカのクリントン前国務長官・・・
21世紀に入ってから、女性指導者の姿がよりいっそう活躍していますね。21世紀は「女性の世紀」とも言われています。女性が強くなって、男性が弱くなっているという全体的印象もあるでしょうし、男性中心の社会構造が構造疲労を起こしているという事もあるでしょうし、ハードからソフトへという転換の中で、女性の柔軟で、足元をしっかり見た発想というのが求められているという事もあるでしょう。(つづく 2月21日オンエア『イキイキ中国』より)
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