去年8月25日に、「革新による構造転換の推進」をテーマとした「国家千人計画」会議が中国東部の無錫市で行われ、これには国内外から600人あまりの専門家が参加しました。「国家千人計画」とは国外から1000人余りの人材を誘致する計画とのことです。

　今回の会議は、「国家千人計画」のメンバーと見られた専門家を含むハイレベルの革新創業者が政府部門、金融機関、投資会社、及び開発区などとの交流を通じて協力のプラットフォームを構築することを目指していることから、高く注目されています。

　会議に参加した経済学者、北京大学の林毅夫教授、及び国家千人計画のメンバー張首晟、毕奇、程京等の専門家は、「革新による構造転換の推進」について、自らの見解を紹介しました。

　米国のベル研究所で20年あまり働いた中国電信集団北京研究院の毕奇研究員は、科学者が芸術家で、その夢と好奇心を通じて人々を驚かせる成果を作り出したと考え、次のように話しました。

　「ベル研究所がほとんど専門家によって管理されている。ここで働くものはみな同僚関係で、上司と部下の関係ではない。研究員の大半は芸術家であり、束縛がなく主体的に科学研究に専念している。急がば回れという言葉がある。発明と革新を共に重視し、芸術と技術を結びつけ、多元的な方法を利用して、短期と中期、および長期的な経済利益を収めることは、中国の持続可能な発展を実現する重要な方策の1つだ」と述べました。

　会議開催期間中、革新、創業、投資という3つのフォーラムが開かれ、参加者達は中国の科学技術の発展、投資のチャンスと環境などについて広く意見交換を行いました。

　経済学者で北京大学の林毅夫教授は、「会議は各分野の専門家に交流の場を提供した。こうした交流を通じてそれぞれ素晴らしいアイデアを得ることができるだろう」と指摘しました。

　林毅夫教授の話です「『国家千人計画』は海外で勉強し帰国した人々に、事業を起こすプラットフォームを提供した」と述べました。

　今回の会議は人材の相互交流、情報の交流、アイデア続出の盛会だけではなく、科学技術成果の展示とプロジェクトの推薦と取引の盛会でもあるとされています。

　先進的な理念を生産力に変え、技術と個人の価値を実現させることは、起業者の夢の始まりとされます。帰国する前に、「国家千人計画」の一人としての専門家はいずれもその分野の専門家で、その名前は人々によく知られています。しかし、事業を起こそうと思えば、ゼロから始まらなければなりません。そのため、各地方政府との協力を仰ぐことは専門家達にとって無くてはならない選択となっています。