(資料写真:ミス香港2012)
このほど、中国の重慶市で行われたミス・インターナショナルの地域予選は大きな話題となった。優勝者は余りにもブサイクだと非難を浴びている。世論の非難に対し、審査員を務めたという人物が「あるところから圧力がかかった」と八百長を暴露する騒ぎとなったため、ミス・インターナショナル重慶予選を再度行うと発表した。
美的感覚は人によって違うけど。余りにもブサイクな優勝者なら、皆の批判を浴びるのも当然だと思う。もともと重慶あたりは湿気の多い盆地で、美女の産地だと言われるから。では、ミスコン、外観の美と心の美、どっちが大事ですか。遠目に眺める分には美人がいいが、近い存在だと美人は苦手、私なんかが話しかけていいのだろうかと、近寄らない。身近ならば心の美。また、審美意識の東西の格差が大きい。西洋人の認めた東洋美人と東洋人の認めた美人は違うから。時代の中でも、美人の基準はずいぶん変化。古代のほうが健全美人。のびやかな美という印象がある(ギリシア、ローマの女性はおなかぷっくり)
<中国でミスコンの歴史を振り返る>
① 1980年代―1990年代:改革開放の歩みと共に、男女平等が提唱され、女性の美意識が蘇る。しかし、ミスコンなどへの参加は依然として「大胆な行為」と見なされる。1987年に湖南省の長沙、1988年に北京と上海で行われたミスコンは、いずれも関係部門の干渉で途中に中止した。また、1993年、北京大学の女性は「ミスコン反対」の署名入りキャンペーンを実施し、ミスコンは資本主義の腐敗した文化だと訴えた。一方、中国婦人連合会も公開的にミスコンの開催に反対。2000年の前、中国ですべてのミスコンは「広告のスター」や「青春の星」など、別の名義で行われ、公式の場で「ミスコン」と呼ばなかった。保守と開放の争いによるスタート段階と言える。服装、ファッションとか化粧品とか,女性の美に関するものが、その当時どこまで自己主張できる社会だったかみたいな、時代の大きな流れが、まだミスコンまで行き着いていなかったのかもしれない。
② 新世紀に入ってから、2003年は中国ミスコンの元年と言われる。2003年から、中国では、ミスコンは正々堂々として「選美」(ミスコン)と呼ばれるようになった。ミスワールドの決勝戦は海南の三亜で行われ、中国代表のモデルさん「関琦」さんは第三位に輝いた。2007年、張梓琳はミスワールドで栄冠を勝ち取り、「チャイナビューティは世界を魅了した」と大いに報道され、ミスコンも国の栄誉だと認められた。この時期、各地では、ミスコンやモデルコンが沢山行われ、若い女性が芸能界に入る一番速い道と見られる。さらに、第1回ミス北京では、45%以上の応募者は大卒の学歴を持ち、学生、教師、医者、看護婦、科学者、スチュワーデスなど多くの職業に及ぶ。2005年に行われたあるモデルコンでは、応募者に百人以上は北京大学の女子大生。
③ 北京五輪以降は衰退期。各種様々なミスコンに観客が飽きちゃった。テレビ局もミスコンの生中継を諦め、その代わりに新人歌手のオーディションや、お見合い番組などを新しい手段として視聴率を奪う。インターネットの普及によって、お宅文化が生まれ、観客、特に男性の観客は水着姿のミスコンに満足せず、直接インターネットから各種の美人を楽しむようになった。ミスコンの主催者はほとんどは民間機構、規模が小さいし、スポンサーも簡単に得られなくなったため、応募者の数が年々減る。本当の美人はミスコンに参加しないという。とにかく、注目度が落ちた。
<異例のミスコンによる騒ぎ>
困難に陥ったミスコン、様々異例な騒ぎを招いた。
① 応募者の減少。
冒頭に紹介した重慶のミス・インターナショナルの地域予選で応募者はなんと数十人しかない。人気を集めるため、協賛企業は40人を薦めた。また、二人の審査員は協賛企業の関係者なので、最終的に選ばれた優勝者は皆に認めてもらえない。公平性を失ったから。
② 注目度が落ちたため、スポンサー探しが難しい。開催の予算が減少したため、開催会場が粗末になり、プロの照明やメークさん、スタイリストさん、ヘアリストさんを雇えない。選手の服装や賞金も減ったため、参加する人はさらに減少。
③ 観客の審美疲労
生活レベルの向上により、娯楽の選択肢が多くなる。様々なエンタメ番組があるため、ミスコンへの注目度が落ちる。整形美人が多いため、誰でも大きな目に尖ったあご、似たような顔が多すぎる。特徴がない。飽きちゃった。美人が増えた。化粧やおしゃれに拘る女性が増えたため、身の回りの美人が増えた。わざわざミスコンを見る必要なない。
一言。女性の美やかわいらしさにあこがれる男心は変わっていないが、パターン的なミスコンの時代は終わって、より身近な様々な求められているのかも・・。美への追求は何時でもある。しかし、美意識も時代の発展とともに変わっている。昔、閉鎖的な時代、美への追求が抑えられていたからこそ、ミスコンへの好奇心や探究心がかえって強い。今では、人々の生活様式や美意識がより自由で開放的になり、多様化になっていますから、ミスコンへの好奇心や注目度が自然に落ちたと思う。ある意味では、社会の進歩を表していると言えるだろう。(8月30日オンエア「イキイキ中国」より)
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |