こちらは北京放送、中国国際放送局です。こんばんは、中国あれこれの時間です。この番組は一週間おきに、今週から街角夜話と無錫シリーズを送りします。今日は、街角夜話を私、高橋恵子がお届けます。この番組は、最近、中国で流行っているスポットやホットな話題など、今の中国の様子をリスナーの皆さんにご紹介します。
北京人民芸術劇院(略称:人芸)が開院60周年の節目に、新劇の「茶館」を首都劇場で再演しました。温家宝首相も一般の観客に混ざりこの演劇を見たといいます。「茶館」という新劇は創作から50年あまりの間、600回を越え上演されましたが、現在でも入場券を手に入れるのが難しい人気の演劇です。
今日は、この北京人民芸術劇院・人芸についてご紹介します。
「茶館」、「雷雨」など昔の作品から、「天下一楼」「北京大爺」など近年に創作された作品まで60年に渡って、北京人民芸術劇院の人々は素晴らしい作品を数多く残し、中国新劇界において重要な役を果たしてきました。人芸はなぜ、人気が衰えないのでしょうか?
人芸の練習場には、「劇比天大(劇は天より大きい)」という4文字がかかっています。これは初代の院長で、中国で最も有名な近代劇作家・曹禺(そう・ぐ)が書いたものです。
彼は1995年に書いた本の序文で、「人芸は多くの経験を持っているが、最も重要なのは、劇に対する芸術家の愛や、粘り強い芸術家らの精神だ。どのような社会状況においても、高いレベルの劇院でいるのは、高尚な精神が必要だ」と言っています。
劇の愛好者・王肖は「中国国家話劇院国話劇場の田沁鑫監督を訪問しました。彼女は人芸が演ずる北京は、中国の有名な劇作家、老舍が描いた当時の北京をそのまま伝えています。この都市が出来てから、経験した様々な光と影が、只、新劇を通してのみ見ることができます。人芸は自らの演目を通して民族の心を表現し、「北京味のある劇」を創り出しました」
伝統を受け継ぎながら、新しいものを作り上げていくことも人芸の人々は考えています。実際、新しいものを求める歩みが止まることはありません。80年代、全国を沸かせた演目「絶対信号」を始め、「狗儿爺涅槃」、「知己」など新しい作品はいずれも、新たな足跡を残しました。
王肖は「私のような古くからのファンは、年毎に『茶館』、『雷雨』など昔の作品を見るたびに、新鮮味が薄れ、新作の登場を期待しています」と述べました。
人芸ははっきりとした演出理念を持ち、様々な困難に立ち向かい、多くの人材を養成しました。
人芸には、こんな伝統があります。アンコールの時、すべての出演者が舞台に出て、観衆に感謝の意を伝えます。もちろん、みな熱烈な拍手喝采を浴びます。
曹禺元院長は常に、人芸を「ラクダのように歩み、いつまでも意気昂揚な精神を持ち続けている」と評価しています。60年を経て、北京人芸はこの精神を堅持しつつ新しい未来に向かって歩んでいきます。
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