新疆は中国の北西部にあります。かつてはシルクロードの通り道であり、今も多様な民族が暮らすところです。古くから、ここは中国と中央アジア、西アジア、ヨーロッパを結ぶ交通の要衝でした。毎週この時間は今日の新疆の様子をご紹介しています。
漢方医学は中国の伝統医学で、2000年以上の歴史があります。漢方医学は病気治療と健康増進の面で重要な役割を果たしています。ここ数年、漢方医学における科学的研究の発展に伴い、その治療効果はますます世界的に認められるようになりました。今日の新疆シリーズは新疆の漢方医・鄧徳強博士をご紹介しましょう。
ウルムチ漢方医病院では毎朝、鄧徳強博士の診療を受けるために患者たちが長い列を成します。これらの患者はいずれも鄧さんの名声を聞いて訪れる人々で、鄧さんの診療を受けるために、数時間も並んで順番を待ちます。
毎日どれだけ多くの患者を診察したとしても、鄧さんはいつも優しく笑顔で患者に接しています。「様々な病を抱えた患者が私の元を訪れますが、病気が治った時には医師として本当に嬉しく思う。患者から感謝の言葉をかけられるかどうかに限らず、達成感がある。それが私の人生の楽しみだ」と話しました。
1997年、四川省成都漢方医薬大学を卒業した鄧徳強さんは、故郷四川省を離れ、新疆のウルムチ漢方医病院に勤務しました。その後、ウルムチ漢方医病院の糖尿病科副主任を務め、糖尿病の予防と治療に力を注ぎました。
2002年のある日、鄧さんはか細く青白い顔をした弱々しい74歳のおばあさんの診察に当たりました。このおばあさんは尿毒症と診断されました。鄧さんは、中国の古典医学書・黄帝内経(こうていだいけい)から西洋医学の腎臓病学の最新研究成果に至るまで、大量の国内外の資料を調べ上げ、漢方医学の治療と西洋医学の治療成果を結びつけて、新たな治療法で尿毒症の治療に取り組みました。すると、おばあさんの病状が大きく改善したのです。
現在、鄧さんは治療の難しい病気の診療と研究に非常に興味を持っています。「実を言うと、人体の回復力は非常に高く、もし、こうした回復力をうまく活かせれば、多くの病気を直すことができる。漢方医治療は家を建てることと良く似ており、建物全体の枠組みさえあれば、修復して一新することができる」と語りました。
新疆シリーズ、今日は新疆の漢方医・鄧徳強博士の物語前編をご紹介しました。来週は後編をお送りします。どうぞお楽しみに。
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