中国西南部の新疆ウイグル自治区の和田地区では、ここ数年「新疆重点砂嵐地区の生態整備と農村の貧困撲滅生態建設テストプロジェクト」が実施されました。つまり、技術革新を通じて、元の砂嵐と砂塵を防止するために栽培したギョリュウ(常緑樹の多年草)を経済作物へと変化させたのです。これによって、政府の資金投入による環境整備を地元住民の自覚的行動となり、生態環境の改善と農民の増収の2つが実現されました。
ギョリュウは新疆の砂漠に成育し、干ばつや砂塵に強い常緑樹の多年生低木です。大面積で栽培すれば、土地の砂漠化を防ぐことができます。しかし、これまで、このギョリュウは防風林としては人々に知られていましたが、その経済的価値は発見されておらず、農家の炊事や暖房の燃料として使われていました。しかし、実際には砂漠の薬用人参と呼ばれる芸香がギョリュウの根に寄生して生えることから、薬用価値と経済的な価値が高いことがわかりました。こうして地元政府は農民たちにギョリュウの栽培とその根に芸香を育成させることを指導しました。これは砂塵の浮遊を防ぎ、生態環境を整備するだけでなく、一定の経済収益も得ています。
これについて前新疆環境保護局の副局長のアイヌワルさんは「芸香の栽培によって、農家の平均所得は少なくとも300元は増えました。ギョリュウと芸香の栽培は環境の保護と所得の増加にプラスとなり、一石二鳥と言えます」と話しました。
ギョリュウと芸香の栽培プロジェクトを進めるため、政府は最初の数年間、毎年、500万元を拠出して、農家の苗木の購入を補助しました。このほか、地元政府は農民に科学的な技術訓練を提供しました。
イヌワルさんの話によれば、林業部門や環境保護部門は病虫害の防止や芸香の栽培などの技術指導を行い、技術者は各農家を回って、巡回指導も行ったということです。
2008年末までに、和田地域の人工栽培によるギョリュウの植生面積は1万6700ヘクタール、芸香の面積は1万1000ヘクタールに達しました。2010年に、プロジェクトが実施されてからおよそ7年で、和田は世界において最大の芸香栽培基地となりました。もっとも喜ばしいことはギョリュウの栽培は地元農民の自覚的な行動となったことです。2008年から、政府は補助金の提供を中止しましたが、ギョリュウを栽培する農民の意気込みは少しも下がりませんでした。
和田でのテストが成功した後、このプロジェクトは迅速に新疆北部地域にも拡大し、新疆地域の特色を持つ環境保護産業となっています。(翻訳:董燕華)
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