皆さんもご存知のように新疆の広々とした大地は多彩な少数民族文化を生み出し、多くの芸術家も誕生しました。今日の新疆シリーズはユネスコ・国際連合教育科学文化機関に民間工芸美術家と言う称号を与えられた女性芸術家・秦エイさんの物語をお話しましょう。
秦エイさんは幼い頃に父親を亡くし、母親は1人で大変苦労して、秦エイさんと2人の姉妹を育て上げました。苦難に溢れた少女時代に絵画は秦エイさんにとって唯一の気晴らしでした。広い大地が彼女の巨大なキャンパスとなり、新疆各民族の風土と人情が彼女の創作の汲めども尽きない源泉となりました。
14歳の時、秦えいさんは美術学校に入り、絵画を学び始めました。しかし、在学中に文化大革命が勃発したため、学業を中断し、数年にわたり農村での肉体労働にたずさわりました。当時のことを振り返って秦さんは、「農村で働いていた時も、私は暇があれば絵画を描き、又、忙しくてもむしろ睡眠時間を削って絵画を続けた」と話しました。
1981年、秦さんにようやく、天津美術学院で研修する機会が訪れました。学習を通じて、ますます新疆の多彩な民族文化に魅了される中で、今までの絵画作品では新疆の美しさをうまく表現することが出来ないと痛感しました。そこで、秦さんは抽象絵画の描き方で新疆への愛を表すことを試み始めました。「画風の変化は考え方の変化と係わっていると思う。私は漢民族出身だが、長い間新疆の少数民族と共に暮らし、少数民族文化の影響を受けているため、私の作品は漢民族文化と少数民族の文化の要素が融合し、漢民族の目で見た少数民族文化だと言えるだろう」と話しました。
こうして、秦さんは絵画作品で新疆少数民族の伝統文化を掘り起こしました。そして漢民族と少数民族の間に芸術の架け橋を作り、新疆の各民族の融合を反映しました。彼女が創作した「草原の恋」、「ハミーメロンを召し上がれ」、「遥かなる場所」などの絵画作品は新疆の独特な文化を表し、多くの人々に喜ばれています。2003年、中国工芸技術学会、民間工芸技術専門委員会は秦さんに「素晴らしい芸術貢献賞」を贈りました。
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