5月から開催されている上海万博は、あっという間に日程の半分が過ぎました。世界の国々は万博の会場に建てたパビリオンによって、自分の国の歴史や文化、技術をアピールしていますが、それと同時に、世界中に名を知られている大手企業も、それぞれ展示施設を設けて、会社の理念や製品などを紹介しています。アメリカのコカコーラ社も、その1つです。
今回、上海万博に出展しているコカコーラのパビリオンでは、建物のすぐそばに、高さ15メートルの大きなコーラの瓶、ボトルが建てられています。ですから、コカコーラの展示施設がどこにあるか、遠くから分かります。来場者にはプレゼントとして、ミニサイズのコーラ1瓶、もらえますが、そのコーラは普通のコーラではないようです。コカコーラ社のパビリオンの責任者、李一川さんの話です。
「ボトルの蓋を開けたら、もともと液体だったコーラが、カキ氷のように湧いてくるのです。特に今のような暑い日に飲むととても気持ちいいです。それから、このコーラのボトルは、植物を材料の一部として作られたものです。そうすると、全てがプラスチック製のボトルに比べて、石油の使用量を減らすことができます。ですから、これをプレゼントすることで、来場者に涼しさを与えるとともに環境意識を伝えることもできると思います」
残念ながら、このコーラは、中国大陸ではまだ市販されていないようです。しかも、植物が材料であるというそのボトルも、万博の会場でしか見られなくて、中国市場ではまだ利用されていません。でも、これより先に、従来のものより35%軽い「軽量ペットボトル」というものがコカコーラ社によって開発され、すでに中国の西安、アモイ、深セン、広州などで販売されているそうです。コカコーラ社で中華圏の公共事務と広報を担当する田文紅さんの話です。
「今、気候変動の対策として、世界各国では温室効果ガスの二酸化炭素の排出量を減らすという動きが高まっていますが、我々コカコーラが開発したこの軽量ペットボトルは、今までのボトルに比べて35%軽くしたものなので、これを作る過程で発生する二酸化炭素も35%減ります。また、今までのボトルは、中の飲料を飲み干したらそのまま捨ててしまうのですが、この軽量ボトルは、タオルを絞るように捻ると1本の細い棒になります。ゴミ箱に捨てると、普通のボトルに比べてスペースは70%少なくて済むのです。それで、ゴミを輸送する場合、省エネになるし、二酸化炭素の排出量も減ります」
コカコーラ社は、ボトルの製造だけではなく、回収する段階でもいろいろな工夫をしています。李一川さんは、次のように紹介しています。
「我が社は、捨てられたボトルを回収して、それを新しいボトルに作り直していますが、それだけではありません。コカコーラのパビリオンに来てみたらお分かりになると思います。パビリオンの周りには、記念品売り場があって、カバンや帽子、Tシャツなどが売っていますが、そのほとんどが回収されたボトルで作られたものです。それから、パビリオンの入り口の地面に敷いてあるカーペットも、館内にある椅子も、全てボトルを再利用して作ったものです」
李さんによりますと、コカコーラ社は最近、新しい自動販売機を開発しました。その上にあるボタンを押して、消費者はオリジナルの飲み物を作ることができます。たとえば、スプライト、イチゴ、無糖という3つのボタンを順に押すと、糖分の入っていないイチゴ味のスプライトが出てきます。全部で120種類の組み合わせができるそうです。いわゆる飲料の「DIY」ができます。早く北京でも見られたらいいなと思います。(鵬)
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