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第2回中国食品安全ハイレベルフォーラム、北京で開催

2010-09-01 10:23:17     cri    

 この6月1日は中国では『食品安全法』が施行されて一周年になる日です。これを記念するため、6月11日、第二回「中国食品安全ハイレベルフォーラム」が北京で開かれました。

 このフォーラムは工業情報化省、農業省、商務省、衛生省、国家工商総局、国家品質監督検査検疫総局、国家食品薬品監督管理局の共催で開かれたもので、今年のテーマは「食品安全 信義誠実は自律で作りあげる」です。

 ■食品加工企業100社 「信義誠実を守る」共同宣言

 席上、100社余りの食品企業が、「信義誠実の原則を守る」ことで共同宣言を出し、安全な食品を生産し、食品加工の全過程に対し品質管理をすると同時に、社会の監督を受け、持続可能な発展を実現していくことを誓いました。この共同宣言は中国最大の食品加工企業である中糧集団により呼びかけられ、中国で活動している内外の大手食品加工企業100社の賛同を得たものです。

 ここ10年、中国の食品工業は年平均15%以上の高度成長を保つ一方、食品安全に関する事故も頻発しており、食品安全は社会的問題として高く注目されています。こうしたことを背景に、2009年2月、『食品安全法』が第11期全人代常務委員会の第7回会議で採択され、同年6月1日より正式に施行されました。これは、人々の生活と密接にかかわっている食品安全の問題を解決しようとする、中国政府の強い決意の表明であり、また、中国の食品安全をレベルアップする肝心な一歩だとも見られています。『食品安全法』が施行されてから、中国の食品安全確保は、監督管理体制の完備、関連法体系の整備、食品安全基準の制定などにおいて著しい進展が見られました。

 国務院食品安全委員会の張勇主任はフォーラムで、「食品業界が、自ら進んで誠実に信頼獲得に進むことは、食品安全を確保する上での重要な基礎だ。食品安全のレベルアップの主な責任は企業にある。食品加工企業は信義誠実の原則を守り、コンプライアンスに則って品質を向上させてこそ、強くて大きい優良企業になることができる」と強調しました。

 ◆  ◆

 このフォーラムで発表された中国の食品安全や食品生産に関する最新動向をかいつまんでご紹介します。

 ■トレーサービリティー体制 36大都市から整備 

 中国では、肉類と野菜のトレーサビリティー、つまり生産者から消費者までの流れを追跡できる体制を今後3年以内に、36の大都市で整備することになりました。商務省の姜増偉次官が明らかにしたものです。

 北京では、食品のトレーサビリティーが、オリンピック開幕前の2007年にすでにスタートし、北京オリンピック用の食品のトレーサービリティシステムは、幅広く好評を受けました。たとえば、牛の耳につけた標識、野菜のパッケージに張られた証明書、そして、加工食品に張られたバーコードなどにより、問題が起きた場合は、短時間でどこで生産、加工したものかさかのぼることができました。しかし、コストが高く、実用性が低いなどのことから、今、実際市場で使われているのは、一部の有機栽培の農作物のみになっています。

 これらの問題点を克服し、トレーサービリティーを全社界で普及していくため、商務省は、今年から食品安全と信義誠実システム作りのテストとして、まずは肉類と野菜を中心に、3年間かけて全国36の大都市で率先してトレーサービリティーシステムを整備していくとしています。

 ■ 食品加工業 潜在力と併せ持つ安全管理の厳しい現状

 国家品質監督検査検疫総局の蒲長城副局長によりますと、中国には現在、40万社あまりの食品生産加工企業がありますが、そのうち、生産許可証を取得した会社はわずか12万社で、このほか、関連証明書は獲得したものの、生産許可証までは取得していない会社が16~7万社、残りの16~7万社あまりの企業は何の証明書も取得していません。蒲副局長は、「零細食品加工企業の数が膨大であるという問題は一夜で解決することはできないが、構造調整の加速、安全な品質を最優先課題に管理を強化していく必要があること」を強調しました。

 なお、2009年、中国の食品加工産業の生産高は5兆元に達しており、全国工業生産の9.1%を占めています。しかし、食品加工業と農業の生産高の割合は先進国では3:1に達していますが、中国ではまだ0.8:1にしか達していません。中国の食品加工産業にはまだ大きな潜在力があると見られています。

 ■ 農業省 量の確保と農民の増収の視点も強調

 農業省の張玉香チーフエコノミストは、「2009年、中国の野菜、畜産物、水産物の検査合格率は、それぞれ96.4%、99.5%と97.2%となっており、中国の農産物の品質は全般に保障されており、安全で信頼できるものだ」と話しました。

 張玉香氏は同時に、「中国は、現在、伝統農業から近代農業への転換期にあるため、農業の生産経営は分散しており、生産形態も比較的遅れている。その上、農産物の品質安全に対する監督管理はスタートが遅く基礎もまだ脆弱なため、今後、農産物の量の確保、構造の均衡化および食品安全の確保は依然として大きな課題である」と指摘しています。

 なお、中国の農業生産の主管当局である中国農業部は今年の活動目標として、食糧生産高の5000億キロ以上の維持、農民の所得増加の伸び率の6%以上の維持をぜひとも果たすべき目標にし、このほか、地域規模の大規模な家畜の感染症が起こらないよう防ぐこと、甚大な農産物の品質安全事故が起こらないよう努力していくを掲げています。(光明日報、商報、中国経済網などよりYan整理)

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