中国の飲食業関係者に新潟産米「コシヒカリ」の特徴を紹介し、中国市場における日本産米の需要を起すことを目的とした「新潟産米食材提案会」が21日、北京市内のホテルで行われました。主催元は「中国向け新潟米輸出促進協議会」。北京の飲食店関係者らが出席しました。新潟県農林水産部の加藤弘副部長、在中国日本大使館の佐竹健次参事官らが挨拶しました。
同協議会副会長で、新潟県農業共同組合中央会の重野徳夫専務理事は席上、「日本産米ナンバーワンのブランドとして、新潟産コシヒカリは生産者、農業団体、行政等が一丸となって育ててきた。これからも大いにピーアールし、自信をもって中国の皆様の食卓にお届けしたい」と話しました。
提案会では、新潟米のおいしさの秘密を紹介するビデオが上映され、「五つ星お米マイスター」の資格を持つ米の専門家・金子真人さん(写真右はおいしいご飯の炊き方の指導をしている金子さん)による日本の米文化や、おいしいご飯が炊けるセミナーが開催されたほか、新潟産コシヒカリで炊いたご飯の試食会も行われました。
「一粒一粒しっかりしていて、腰がある」
「ふっくらとしていて、匂いが香ばしく、味も普通の米よりずっと美味しい」
「日本米について体系的に勉強することができた。日本の伝統文化である"極みの精神"が米作りでも生かされていて、日本米の美味しさを作り上げたのだと知った」などと来場者が感想を述べました。
最近、食の欧米化につれ、日本では一人当たりの米消費量が30年前の半分に減りました。海外での需要が拡大できれば、日本農業の活性化にもつながるという期待の中で、2004年、日本産米の台湾、香港、シンガポール向けの輸出が始まりました。中国向けの輸出は2007年に暫定的始まり、2008年胡錦涛中国国家主席の訪日で政府間協定が結ばれました。現在、輸出入の窓口はそれぞれJA全農グループと中糧国際(北京)有限公司で、小売りは北京や上海の一部高級スーパーに限られています。
長距離運送の運賃のほか、検疫上、燻蒸が必要のため、日本産米の中国市場での販売価格は日本国内の約3倍にあたる1キロ当たり99元(約1500円)に達しています。そのため、初年度の2007年、総数120トン(新潟産コシヒカリ、宮城産ひとめぼれ)を中国に輸出したものの、市場で消費されるまでに予想以上の時間がかかったと関係者が明らかにしました。これを受け、翌2008年から中秋節や春節期の贈答品としてそれぞれ40トンと30トンずつ出しました。関係者は「日本産米の中国向け輸出は、現在まだ様子見の段階にある」と見ています。
こうしたことを背景に、提案会に出席した新潟農林水産部食品流通課の星丈志課長補佐は「まずは、商流と物流のネットワークを作り、需要を固めることから始める必要がある」と話し、輸出環境の一層の円滑化に期待を示しながらも、現段階では「日本産米はただ高いだけでなく、安全で、安心、環境にも優しいという付加価値の部分を中国の消費者に認めてもらいたい」と述べました。
なお、2009年10月に中国向けに輸出した30トンの日本産米はすべて新潟産コシヒカリです。「中国向け新潟米輸出促進協議会」主催の食材提案会は北京に先立ち、上海でも行われ、また22日、北京市内の高級デパート&スーパーの「新光天地」で一般消費者向けの試食会も行われたということです。(王小燕)
■付録)新潟県と中国
上海、ハルビンと定期便があり、大連と北京にそれぞれ事務所が設置されています。姉妹省県は黒竜江省と吉林省。このほか、トキの保護活動で陝西省と協定も結んでいます。2009年6月、新潟市に中国総領事館を設置することが、中国政府と日本外務省の間で正式に合意されました。
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