中国大陸と台湾は先月末、自由貿易を柱とした海峡両岸経済協力枠組協定(ECFA)を締結しました。中国大陸と台湾の経済協力を制度化するとともに、双方が連携して国際競争に立ち向かうことを強くサポートするものになると期待されています。
全般的に見ると、ECFAには中国大陸と台湾の主な経済活動が含まれています。例えば、貨物貿易やサービス貿易、投資などをめぐるこれからの交渉の原則や内容もあるし、知的財産権や金融、貿易利便化に関する協力、貨物貿易における税金の削減、サービス貿易の開放などがあります。
まず、貿易の1つ、果物の販売や取引を例に見てみましょう。中国福建省のアモイには、果物の卸売りをしている台湾のビジネスマン、温仁徳さんがいます。温さんは5年前、中国大陸の市場を狙ってアモイで会社を興し、台湾から中国大陸へ果物を卸売りしてきました。温さんの話では、大陸は2005年から、台湾から輸入する果物およそ10種類に対して「ゼロ関税」措置を実施してきました。今回、ECFAの調印によって、さらに多くの果物がゼロ関税の対象になるということです。温さんの話です。
「ECFAが調印される前は、中国大陸への輸出でゼロ関税措置を受ける台湾の果物は15種類しかありませんでした。でもこれからは、ますます多くの果物が関税ゼロで大陸に入ります。市場の統計によりますと、大陸の農産物市場に占める台湾の農産物のシェアは4.5%しかなく、かなり小さいけど、それだけ伸びる余裕も大きいのではないかと思っています」
台湾の果物にどういうものがあるかよく知らないのですが、台湾は大体沖縄の石垣島と同じ緯度ですから、果物も沖縄とほぼ同じなのではないかと思います。沖縄の果物といえば、中国の皆さんもおなじみのマンゴー、パイナップルなどがたくさんありますし、バナナもちょっと小ぶりのものがあります。最近では、ドラゴンフルーツもあります。
中国語では、ドラゴンフルーツは「火龍果」といいます。昔、けっこう珍しかったですが、今は輸送手段がどんどん発達してきているので、スーパーでは冬でも見られるようになりました。
ECFAによって、ドラゴンフルーツを含む果物5種類を始め、合わせて539の台湾製品が、大陸に輸入される際の関税が徐々に引き下げられ、およそ2年後にはゼロ関税になるということです。
中国大陸と台湾は、今まで別々に国際競争に参加していたのですが、今回、ECFAを結んだので、経済のつながりがますます緊密になると予想されます。それにより、これから世界的な競争には、一丸となって対応することになるのではないかと思います。
大陸と台湾の経済協力について、中国の姜増偉商務次官は「双方の産業協力を1本の高速道路にたとえれば、関税を免除することは高速道路の料金所を取り除いたことと同じ」と話していますが、高速道路が無料になって車が自由に走るのと同じように、大陸と台湾の貿易もどんどん自由になるということでしょう。
政府の統計では、去年末までに、中国大陸が台湾から導入した資金の額は495億ドルでした。また、去年、中国大陸と台湾の年間の貿易額は1000億ドルを超えました。これから、ECFAが実施されるにしたがって、これらのデータはもちろんどんどん大きくなりますが、それよりも実際に目に見えるのは、先ほど言いましたドラゴンフルーツなどの果物、それに台湾の製品が大陸に入ってきて、同時にこちらからも、いろんな台湾にないものが台湾に送られていくと予想されています。(鵬)
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