中国では、80年代に海外のアニメなどが見られるようになり、90年代に一気に広がった。インターネットでの情報入手も可能になり、今では、日本人にも知らないような漫画、アニメを知っている人もいるくらい。では、中国の若者は日本のアニメをどう見ているのか。インターネットでのアンケート結果をちょっと紹介する。
まず、「どこの漫画、アニメが好きですか」という質問で、80%の人が「日本の漫画、アニメが好き」と答えた。2位はディズニー。そして、「どこに魅力を感じるか?」という質問には、半数以上の人が「ストーリー」と答えた。反対に、「中国のアニメについてどう思うか」という質問に対しては、「子どもっぽい、単純である」と回答している。80年代生まれの若者にも実際に聞いてみたが、「とにかく日本のものは、話の筋が細かい、様々な要素があって、おもしろい」と言っていた。
ほかにも、若者のいろんな意見があるが、わかりやすくまとめてみた。まず、日本のアニメは、いろんな年齢層に対応している。小学生向けとか、OL向けとか、男性向けとか、いわれてみれば細かく分かれている。そして、人物設定が細かく心理描写が深い。さらに背景には日本の文化があるとのこと。中国と日本の若者をとりまく環境が似ており、同じアジアの国で、東洋文化圏に属し、欧米のようなオープン的な表現方式と違って、中国人も日本人も「以心伝心」を強調し、気持ちで通じ合うという暗黙の了解に慣れているだろう。
それから、先ほどは「中国のアニメは子どもっぽい」という意見が出たけど、しかしこれだけアニメ産業が盛り上がってくると、最近はちょっと変化が出ているんじゃないか。今、中国の漫画家の作品が日本で翻訳され掲載されている。夏達さんという若い女性の作品、「誰も知らない~子不語」はその一つ。また、今年の4月から、日中合作のアニメ「三国演義」が中国と日本で放映されている。この中日コラボレーションの新作アニメ「三国演義」は古典「三国誌」をモチーフしたもので、中国はキャラクターデザインや映像制作をしている。まだ見ていないけど、紹介で主人公の劉備や諸葛孔明、曹操などの映像を見てびっくりした。いずれも非常にハンサムな美男子で、歴史物語に興味のない女性視聴者にとっても、楽しんで見られるかもしれない。今後このようなコラボレーション作がもっと増えてほしいね。
ところで、温家宝首相が日本を訪問した際に、中日共同のアニメフェスティバルの開催の話題も出て、アニメでの中日交流がますます広がるようだ。そして来年は中日アニメの交流年として、コンテンツの交流や人的往来など、アニメに関して中日の間で一連のイベントが行われる予定だ。中国ならではの題材やストーリーは日本人も興味があると思う。
一方、政府は国産アニメ産業の支援を拡大していく方針で、国家ラジオ映画テレビ総局はアニメの国際協力は推進するが、海外アニメの大量輸入には反対するとの姿勢を示している。輸入するアニメは国際基準を備えていること、その国の伝統と文化が背景にあることが条件とされた。長期的に見れば、このような政策がいつか緩和されるかもしれないが、いまの段階では、国産のアニメ産業の成長を守るため、海外アニメの輸入にある程度の制限を取る必要がある。でも、外国の伝統や文化を代表できる優秀な作品に対しては、いつも歓迎の態度をとっている。これらの作品は中国の人々、特に若者にとって、異国文化への理解を促し、中国アニメ産業の発展にも良い刺激になるだろう。
アニメや漫画を通して、互いにどんなメッセージを伝えたいのは明確にする必要があると思う。とにかく中国、日本間のアニメ、漫画を通した交流はまだまだ続き、今後どのように発展していくのかが楽しみだ。(「イキイキ中国」より)
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