成長のコツは「マンパワー」の重視にある
今年は中国の西部大開発計画実施10周年の年です。沿岸部との格差がまだ大きいものの、確実に成長してきた西部の企業もあります。本部が新疆ウィグル自治区の昌吉市にある特変電工集団がその一つです。
特変電工集団の年間売上高は170億ドルで、新疆最大の製造業企業です。設備製造業、新材料産業、新エネルギー産業の3つの産業を展開していて、特にメイン産業である変圧器の製造では、世界第3位、アジアでトップの生産量を誇っています。2007年に上場してから、事業の展開がすばやく進んでいるようです。
全人代開催期間中、全人代代表でもある特変電工集団の張新社長にインタビューしました。
記者 最近の事業展開の概要をご紹介ください。
張社長 新疆はマーケットの中心から離れているため、運送の距離が長かったのですが、2007年に上場して以来、四川省や天津市、湖南省、瀋陽市、山東省、西安市などでM&Aを通じて、同業の国有企業を買収しました。
こうした吸収と合併により、国有企業に活気をもたらすことが出来、また、国有企業の蓄積された技術や人材を吸収し、我々はグローバルな展開を進めることができました。去年はアメリカやカナダ、インド、ロシア向けに、5億ドル(約451億円)の輸出を実現しました。
記者 技術も人材も沿岸部と比べて有利でない状況にありながら、アジアのリーディングカンパニーにまで成長できたコツは?
張社長 20年ほど前に創業した当時、新疆の工業はとても遅れていました。しかし、それだけニーズも大きかったのです。当時、交通も通信も不便だったため、沿岸部の人は新疆がたいへん遠いところだと思って、新疆での産業開発に乗り気ではありませんでした。しかし、インフラが整備され、マーケットの自由化も進んでいるいま、そうした地域的な境がもはや感じなくなりました。企業の成長に向いている環境が整っています。
企業の発展には、何よりも従業員を大切にし、知識や人材を尊重することです。私たちの企業には「発展は従業員に頼り、発展は従業員のために、発展の成果を従業員に還元する」という理念があります。従業員一同が企業を自分の家と思ってこそ団結力を発揮することができると思います。
記者 人材を大切にし、多様な人材で企業の発展を促したということですね。
張社長 外国人の従業員を除けば、2割の従業員は少数民族の出身です。異なる民族の従業員はそれぞれのユニークな文化を持っていて、相互に交流し学びあい、異なる文化や個性を融合させることでことで、より良いものが生まれることができます。
中国はいま、世界と融合することに向かって経済や社会の発展を進めています。ましては自国の民族同士が融合できないはずはないように思います。(聞き手:黄恂恂)
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |