イスラエルの首相官邸は23日声明を発表し、イスラエル内閣はこの日イスラエルを「ユダヤ人国家」と定める法案を承認したことを明らかにしました。

　今回承認された法案は、イスラエルが「ユダヤ人国家」に属すと法律で規定することを求めるものです。イスラエルのネタニヤフ首相は、内閣で投票を行う前に自ら推し進めているこの法案に対し、「イスラエルはユダヤ人の民族国家だ。私たちはイスラエルのあらゆる国民が平等な個人の権利を有することを堅持するが、例えば、国旗や国家、ユダヤ人がイスラエルに移住する権利と他の民族的象徴などの民族の権利はユダヤ人だけが有する」と説明しました。

　また法案では、現在イスラエルの公用語として使われているヘブライ語とアラビア語について、ヘブライ語を引き続き公用語として使用する一方、アラビア語は「特殊な地位」を持つにすぎないと定めることも提案されています。

　メディアの報道によりますと、法案をめぐり内閣では激しい論争があり、15人の賛成に対して反対も7人いたということです。ウェインスタイン司法長官やラピッド財務相などが「法案はイスラエルの民主国家としての特徴やイスラエル人口の20％を占めているアラブ人の権利を損なう」と主張し、法案に反対したということです。（劉叡、小山）国際・交流へ