最近、ピースサインでポーズを決める87歳の女性の写真が中国のインターネット上でたいへん話題になっています。そのポーズがとてもかわいく見えるため、女性は「萌えばあちゃん」と親しみを込めて呼ばれています。温州網が報じました。
「萌えばあちゃん」の正体は浙江省温州市藤橋鎮に住む黄さんで、本籍は日本にあります。写真は19歳の孫娘が撮り、インターネットにアップしたものです。
黄さんの父親は温州商人で、戦前、茶葉の商売で日本にわたり、山形県で黄さんの母親である田中四美真子さんと出会って結婚。その後、二人の間に長女の黄さんと2歳年下の弟が生まれました。家族は日本で5年間暮らしましたが、1937年に中日間で戦争が勃発したため、黄さんの父親は妻子を連れて日本を離れ祖国に戻ってきました。黄さんはその後、朝鮮戦争に参加した軍人と結婚し、仲むつまじく人生を送ってきました。
現在では、夫がすでに他界しましたが、黄さんにとって一番の願いは日本にいる親戚に会うことだと言います。1971年、日本の田中家から黄さん姉弟を探しに温州に来ましたが、文革の真っ最中という当時の政治状況の下で黄さんたちは名乗り出ることができず、親戚と再会する絶好の機会を逃しました。その後、中日関係が徐々によくなるにつれて、黄さんは再び親族探しをしたいと思うようになりましたが、親族関連の資料は文革中にすべて燃やされたため、手がかりが少なく、何度も試みましたが失敗に終わってしまいました。
黄さんが覚えているたった一つの日本での記憶は、祖父が地元の「七日町」で「来々軒」という飲食店を開いていたことです。1983年、黄さんは山形県警察に手紙を出し、「来々軒」に関する情報を教えてもらうよう依頼しましたが、「『来々軒』は昔、地元で有名な料理店だったが、現在は年配者しかその名を知らず、その後のことを調べ出すことが困難だ」という返事を受け取り、黄さんの親族探しの夢は絶たれてしまいました。
しかし、まもなく米寿を迎える黄さんは最近になって、日本にいる親戚と再会したい願いが日に日に強くなっています。いつか願いが叶うよう、山形にあった「来々軒」料理店に関する手がかりをご存じの方は、ぜひ情報を教えてください。(Yan、小山) 暮らし・経済へ
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